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【富山県・小原営農センター】30年来、守り継ぐ田んぼと豊かな自然。地域に根ざした持続可能性のある農業を目指して

有機米を中心に、有機百姓納豆や有機百姓もちなどの農産加工品を作って頂いている小原営農センター(富山県)。ビオ・マルシェの宅配が創業した当時から出荷いただいています。

今回は稲刈りの時期を迎える田んぼをご案内いただきながら、代表の宮田さん、木村さんに小原営農センターの成り立ちや有機米栽培への想いなどを伺いました。

小原営農センター

小原営農センターの皆さん

小原営農センターの田んぼや畑が広がるのは富山県・富山市。
豊富な魚介類に恵まれた水深1,000mを超える海底谷をもつ富山湾と、立山連峰をはじめとする飛騨山脈に囲まれた自然豊かなところです。立山連峰からのゆたかで清らかな水、養分をたっぷり蓄えた肥沃な大地は、米作りに適した気候風土をもち、米どころとして有名な地域です。訪問日(9月30日)には青空が広がり、道中にも美しい立山連峰が見え、金色の穂を実らせた田んぼが広がっていました。

安心して食べられるお米を目指して

小原営農センター三浦さん

小原営農センター創業メンバーの三浦さん

小原営農センターは農業が大好きな百姓たちの組織として1992年に設立されました。
創業メンバーの1人である三浦さんは当初、農閑期にアルバイトをしており、「ビオ・マルシェの宅配」創業者の関信雄が営んでいた八百屋で働くことがありました。そのときにお客様が「安心して食べられるお米」を求めていることを知り、化学肥料を使わず、化学合成された除草剤や殺虫剤に頼らない農業が出来ないだろうかと考え、有機栽培を始めました。
栽培を始めた当初は、有機JAS認証制度がまだ制定されておらず、前例も少ない時代だったので、毎年試行錯誤の連続だったそうです。地域の方々の協力を得ながら、お客様が次第に増え、農地が広がっていきました。

有機農業をしていて感じること

「安心して食べられるお米を作りたい」という人たちが集まって設立された小原営農センター。設立から約30年経ちましたが、今でも「有機農業をやりたい!」という想いを持った人たちが県内外から集まります。

現在、代表の宮田さんは4代目。

小原営農センター代表宮田さん

小原営農センター代表の宮田さん

元々実家が農家で慣行農業をしていたそうですが、「有機栽培のお米を育てて食べたい」「自分が最高と思えるお米を作りたい」と思い、たどりついたのが小原営農センターでした。働きはじめる前は将来独立することも考えていたそうですが、実際に始めてみると、単にお米を作るということだけでなく、お米が育つ地域や環境の大事さにも気づき、ここでお米作りを続けたいという気持ちが強くなったそうです。

有機農業に取り組むことで土着菌が増えて土壌が豊かになること。その土地にあった作物や栽培方法を見つけるのが大事だということ。自分たちだけではなく、地域の人々との関わりがあってこそ続けていけるということ。たくさんの気づきを得ながら有機米を作り続けることで、地域・環境との一体感を感じるようになっていきました。そして、「有機農業をすることでこの自然豊かな環境を守っていきたい」という気持ちも同時に芽生えていきました。そんな想いを込めて育てられた有機米は、この地域で栽培しているからこそできるものだと強く感じるそうです。

続いてお話を伺ったのは木村さん。

小原営農センター木村さん

木村さん

「有機農業でお米作りをしてみたい」と17年前に県外から小原営農センターへ来られました。
実際に有機栽培でお米作りをやってみてどうでしたか?と伺うと、「楽しいですよ!」と笑顔で即答。そのお返事で、楽しいという気持ちがこちらにも伝わってきました。
毎年同じようにはいかず、天候や環境の変化、また田んぼの場所によっても個性があり、管理の方法も変わります。蓄積してきたデータや稲の状態などを日々観察しながら、「じゃあ、どうしようか。次はこうしよう!」と考えながら栽培することが難しいけれど面白いとおっしゃっていました。

これから目指していることは何ですか?とお伺いすると、「お客様に食べていただくことで、この富山の美しい環境を守ることに繋がるので、もっと多くの人にお届けするために栽培技術も上げながら収穫量を増やしていきたいです」とのこと。新しいメンバーも加わり、SNSを通じて情報発信をするなどの取り組みもされています。

有機農業で守り継がれる田んぼと地域の環境

小原営農センター

お話を伺ったあと、これから収穫が始まるという有機もち米の田んぼに案内していただきました。今年もお届けが始まる有機百姓もちの原料にも使われています。

田んぼの稲は、金色に輝く穂をゆらしながら収穫の日を心待ちにしているようでした。田んぼには赤とんぼが気持ちよさそうに飛んでいて、小原営農センターの皆さんが守り続けてきた豊かな自然を全身で感じられるような、心地よい時間でした。

小原営農センター

小原営農センターでは、「安心して食べられるお米を作りたい」という想いを持って大事に田んぼを守り育ててきた先代の人たちから、「有機農業で美味しいお米を育てたい、お客様へお届けしたい」という想いをもって集まった人たちへと、田んぼ・その地域の環境が守り継がれています。この土地を訪れて直接お話を伺って、とても素敵なことだなと感じました。

宮田さんからのメッセージ

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全国約300件以上の契約農家と共に、有機野菜を広げていきます。

「街を耕す八百屋」としてスタートしたビオ・マルシェ。有機契約農家さんの数も、今では全国約300件まで広がっています。
農業生産による環境への負荷をできる限り低減し、環境や多様性に富む生きものとの調和性を大切にする。有機農業を通じて、持続的に農作物を作り続けられることができる大地を守り、豊かな環境を未来の子供たちに残していきたいと考えています。

ビオ・マルシェの畑を訪ねてでは、全国各地の生産者の有機農業への想いや畑の「今」を、他にもたくさんご紹介しています。

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