島根県の奥地 弥栄町「やさか共同農場」を訪問してきました
2024.9.16
富山県富山市にある小原営農センターの有機米づくりの作業風景をお届けします。9月の収穫までの様子は、小原営農センターの黒瀬さんにお伺いします。前回の記事有機米日記⑥有機栽培米づくり 稲刈りの準備では、有機米の花や、稲刈り準備の様子を紹介しました。今回は、稲刈りや収穫後の作業の様子などをお伝えします。
ついに今年の稲刈りが始まりました。
富山県で栽培するコシヒカリの収穫適期は、出穂からおよそ40日と言われています。
ただし、出穂後の毎日の気温によって登熟具合(穂の色味)が変わります。そのため、過去の気温のデータから予測し、田んぼごとの登熟具合をもとに、刈り取る田んぼの順番を決めていきます。
刈り取り時期が早過ぎると、米粒が未熟で商品になりません。逆に刈り遅れは品質の低下をまねき、食味を落とす原因となります。コシヒカリだけでも25haという広大な田んぼ。この全てで適期の収穫作業ができるよう、常に田んぼを見回っています。
また、倒伏(穂が倒れている状態)や病気は品質劣化の原因になるので、よく確認してから刈り取りに臨みます。
刈り取り作業のほとんどはコンバインです。
しかしコンバインでどうしても刈り取りができない四隅6m×1mは人の手で刈ります。
これまでの田植えや除草作業がそうであったように、現在はお米作りのほとんどの工程が機械化されています。コンバインの性能が格段に上がっているので、田んぼの大部分を刈り取れて、比較的経験の少ない人でも取り回しが可能になりました。この便利な機械をいかに効率よく、その後の作業を見越して使えるかどうかが、現代のお米作りに必要な技術の1つと言えます。
ドローンを使い、刈り取りの様子を動画で撮影しました。
稲刈り2021をぜひご覧ください。
ここで、有機栽培ならではの様子をご紹介します。
小原営農センターの田んぼの中には、慣行栽培の田んぼと隣接している場所がいくつかあります。有機JASの認証制度では、慣行栽培の田んぼから飛散する農薬などに対して何らかの対処をすることが求められます。その1つが緩衝地帯を設けることで、有機栽培の田んぼと慣行栽培の田んぼの間に一定の距離を取ります。緩衝地帯で収穫したお米は有機米としては出荷しません。コンバインや乾燥機など、緩衝地帯で使った全ての機械は使用後に掃除して、お米が混入しないよう徹底して管理しています。手間はかかりますが「有機」として出荷する以上必要なことです。
慣行栽培の田んぼから緩衝地帯を測定し、目印を立てます。
刈り取りの際に刈り残し、緩衝地帯のお米だけを刈り取る日を設けています。
収穫後、コンバインからトラックへ乗せられた籾は乾燥所へと送られます。
乾燥所は、籾をお米という商品に仕上げる工場のようなものです。
籾を貯蔵に適した水分量まで乾燥させ、紙袋に詰めていきます。
籾は刈り取り時に約24%の水分を含んでいます。これに約40度の温風を当てて、約15.5%に下がるまでゆっくり乾燥させます。高い温度でパッと乾燥すれば作業時間も短縮されますが、ムラが出てしまう可能性があります。
特に、倒伏によって刈り取り時に草が混じってしまった田んぼの籾や、日陰の多い田んぼの籾は水分量のばらつきも激しいため、籾の状態を確認しながら進めています。
機械で籾を取り除き、玄米の状態にします。また、この時に小さいお米をふるい落としていきます。
カメムシの食害や病気のお米を機械で取り除きます。この時、必要に応じて人の手でチェックしています。
一袋30kgずつ袋に詰めていきます。
稲刈り作業もそうですが、それ以上に乾燥所での作業も一旦始まればノンストップです。夜間も乾燥機を動かしており、トラブルで止まってしまうなどの事態が起きないように交代で確認します。
とにかく滞りなく稲刈りを進めていけるように、スタッフが一丸となって作業していきます。
次回【富山県・小原営農センター】有機米日記⑧有機栽培米づくり 出荷・食味検査では、出荷・食味検査の様子をお届けいたします。
【富山県・小原営農センター】有機米日記①有機栽培米づくり 苗を育てる
【富山県・小原営農センター】有機米日記②有機栽培米づくり 田んぼの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業
【富山県・小原営農センター】有機米日記④有機栽培米づくり 溝切・中干し
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑤有機栽培米づくり 追肥・出穂
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑥有機栽培米づくり 稲刈りの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑧有機栽培米づくり 出荷・食味検査
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