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【富山県・小原営農センター】有機米日記③有機栽培米づくり~育苗・田植え・除草作業~

富山県富山市にある小原営農センターの有機米づくりの作業風景をお届けします。9月の収穫までの様子は、小原営農センターの黒瀬さんにお伺いします。

今回は、有機米日記 ①有機栽培米づくり 苗を育てるで紹介した、発芽した苗の成長の様子と、田植え・除草作業についてご紹介します。

有機米の育苗

前回記事有機米日記 ②有機栽培米づくり 田んぼの準備で紹介した田んぼの準備をしている間に、苗は田植えに最適な大きさまで育ちました。

4月13日

種まきし、発芽した苗をハウスへ並べました。
ここで田植えまでの40日弱、葉っぱが4枚程度見えてくるまで育てます。
最初は白いお米の芽が並んだ状態です。

4月19日

葉や茎の元になる、葉鞘(ようしょう)がでてきました。

4月19日苗2
有機米の苗

4月21日

1枚目の葉っぱが広がってきました。

有機米の苗
有機米の苗

4月26日

2枚目の葉っぱが広がり、真ん中から3枚目の葉っぱが少しずつ見えてきました。

有機米の苗
有機米の苗

5月6日

4枚目の葉っぱが生育中。

有機米の苗
有機米の苗

5月11日

4枚目の葉っぱが伸びきり5枚目が出そうです。
ここまで生長させて田植えを行います。

有機米の田んぼ

小原営農センターでは、約9,000枚も上る苗箱を一度に管理しています。この9,000枚はすべて同じ種類のお米ではありません。通常の有機米(うるち米)に加えて、ビオ・マルシェの宅配の人気商品「有機百姓もち」の原料となるもち米、黒米など様々な種類があります。それぞれの特性に合わせて水や肥料を与え、管理するのは心身ともに負担の伴う仕事です。

小原営農センターでは、「プール育苗」というやり方を取り入れています。ハウス内に深さ7cmほどの浅いプールを作り、そこに苗を並べ、水を張ったままにして管理する方法です。苗が常に水に浸かっているため、急な寒気の影響を和らげ、病気の蔓延も防げます。特に育苗作業で一番時間がかかる、水やりの作業を最低限にできるメリットがあります。

さらに、ハウスで管理することで、雨風をしのぎ、温度管理も簡単にできるメリットもあります。10年ほど前は4月でも雪が降ることがあり、冷え込む日にはハウス内でストーブを焚くこともありました。近年では早朝に気温が一桁台まで下がることはあってもそれ以下にはならず、むしろ5月になるとハウス内は30℃を超える日が増えてきました。気候の変化を感じます。

有機米の田植え

5月20日

この日はいよいよ田植え。
朝から苗をトラックに積み込みます。この時の水をたっぷり吸った苗の重いこと重いこと…プール育苗のデメリットです。
1シーズン約9,000枚の苗箱を人の手で積みこむため、1枚あたりの苗を軽くしたり、使う枚数を減らしたりすることで、作業負担を軽減することが今後の大きな課題です。

有機米の苗

大切に育てた苗を見送る時は、わが子の旅立ちにエールをおくる親心のように「今日からはそれぞれ田んぼで元気に育つんだよ!」と想いを馳せます。

有機米の田んぼ

苗を田んぼに運びます。田植機の爪部分が苗を1本ずつかきとり、田んぼにリズムよく植えていきます。

有機米の田んぼ

この時、田んぼの表面を見ながら、植える深さに細心の注意を払います。浅く植えると活着(土にしっかり根が張ること)するのが遅く、今後の除草作業に苗が耐えられず抜けてしまいます。逆に深すぎると後の生長に影響し、最悪の場合収量減少につながります。田植え作業がスムーズに進むかは、代かき作業での均平の精度や、田んぼづくりが丁寧にできているかが鍵になります。

有機米の田んぼ

有機米の除草作業

5月26日

田植えをしてから1週間が経ちました。
田んぼの表面を見ても、草などは全く生えていないように見えますが、表面の土を動かすと発芽した草の芽が浮いてきます。

有機米の田んぼ

この段階で除草作業をすることが大切です。仮に田んぼの表面に目視できるほどの草の発生が確認できる場合、土の中では草の根がしっかり伸びているということになります。
大きく育った苗を植え付けること、稲の根が素早く活着すること、素早い除草作業。この3点を意識して栽培することが、稲と草との田んぼの陣取り合戦を制することに繋がり、除草剤に頼らない栽培を可能にしています。

有機米の田んぼ
5月28日除草3
有機米の田んぼ

実際の除草作業は、除草機で苗の周りの土を動かしていきます。そうすることで、草の種を土から出したり、草を浮かせたり、練りこんだりします。この作業の目的は、伸びた草を取り除くことではなく、今後できる限り草を生やさないことです。

6月3日

田植えから2週間目。
前回同様の作業をしていきます。前回の除草作業で運よく生き残った草が多い場合は、より強く作業機をかけ、なるべく数を減らすようにしています。

有機米の田んぼ

この時、苗は5枚目の葉っぱが生育中でした。

有機米の苗

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