和歌山県有田郡の平飼い養鶏場「蒼生舎」を訪問してきました
2024.11.19
富山県富山市にある小原営農センターの有機米づくりの作業風景をお届けします。9月の収穫までの様子は、小原営農センターの黒瀬さんにお伺いします。
前回の記事有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業では、田植えや除草の様子を紹介しました。今回は、除草後の溝切と中干し作業を紹介します。
小原営農センターでは、今季142枚の田んぼにお米を作付けしました。その田んぼ一枚一枚に管理担当者がいて、毎日の管理を任されています。
この管理で大切なことは田んぼの見極めです。
隣り合っている田んぼでも、それぞれの成り立ちや土質によって“性格”が異なります。
肥料が長い期間もつ・肥料を入れすぎると病気が発生しやすい・水を入れても入れてもすぐなくなる・水もちがよい・早朝や夕方には日陰になる、など。
それぞれの田んぼの個性を把握し、稲の状態が悪い時にはなにが原因でどうしたらよくなるのか、稲が草や病気に負けず健康に生育するにはどう手助けしたらよいのか、などを常に考えます。
管理担当者は、毎日田んぼに通い、水見(みずみ)という作業(夕方田んぼに水を入れて、翌朝にその水を止める)を行いながら、稲の生育をよく観察し、溝切・中干し・追肥などの作業時期を見極めます。
田植えから1週間後に1回目、2週間後に2回目の除草を終えました。
約4週間~1カ月が過ぎたこの日、溝切作業を行いました。
溝切は、田んぼ内に縦横数本の溝を作ることです。溝によって、水の管理がスムーズになります。
横から見ると船のような形、後ろから見ると逆三角形をしたパーツを機械につけて田んぼの中を引っ張ります。
すると、V字の溝ができるので、これらを排水桝につなげておきます。
※「排水桝」とは、田んぼから水を抜くための排水弁のようなもの。通常は田んぼに水が溜まるようにある程度の高さまで閉じていて、水を溜めたくない時などには開けます。
溝ができたら、次に中干し作業を行います。田んぼの水を抜いて地面に軽くヒビが入るまで干します。
中干しの目的は主に2つあります。
①ガス抜き
春に土の中にすきこんだ稲わらや草、肥料などの有機物が微生物に分解される過程で硫化水素やメタンガスが発生することがあります。これらが稲の根を傷め、生育を阻害する原因になるため、土中から抜いて、根っこの生育を改善します。
②地面を固める
秋の作業を見据えて、コンバインが走れるように田んぼの土をある程度固めます。まだ田植えして1カ月、せっかく作った田んぼのもう水を抜くの?と思ってしまいそうですが、このあと稲がどんどん生育し、葉っぱを広げていくと地面は日陰になり、干すことができなくなります。そのためこのタイミングで行います。
中干しが終われば、また水を入れます。
その際も溝があることで、素早く田んぼの奥まで水を入れることができます。
田植え後、約一カ月。葉っぱは6枚目が生育中。分けつも3本見られます。
※「分けつ」とは、生育が進み、根元付近から新芽が伸びて株分かれすること。生育の過程で自分の分身を作り、株を太らせていきます。
田植え後約一カ月半。葉っぱは8枚目が生育中。分けつは6本になりました。
次回の【富山県・小原営農センター】有機米日記⑤有機栽培米づくり 追肥・出穂では、追肥作業の様子をお届けいたします。
【富山県・小原営農センター】有機米日記①有機栽培米づくり 苗を育てる
【富山県・小原営農センター】有機米日記②有機栽培米づくり 田んぼの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑤有機栽培米づくり 追肥・出穂
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑥有機栽培米づくり 稲刈りの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑦有機栽培米づくり 稲刈り
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑧有機栽培米づくり 出荷・食味検査
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