島根県の奥地 弥栄町「やさか共同農場」を訪問してきました
2024.9.16
富山県富山市にある小原営農センターの有機米づくりの作業風景をお届けします。9月の収穫までの様子は、小原営農センターの黒瀬さんにお伺いします。
前回記事有機米日記①有機栽培米づくり 苗を育てるに続く2回目は、有機米の田んぼの準備についてです。
田んぼや水田というとどんな風景が思い浮かびますか?
日本では、水を張った農地でお米を作ることが一般的ですが、田んぼだからと言って一年中水が張ってあるわけではありません。
水を張るのは、主にお米作りの前半の時期。稲の植え付けをする約2週間前から穂が実る頃まで、約4カ月程度です。後半は、水を入れたり出したりしながら栽培し、稲刈りの季節には田んぼに水はありません。
今回は田んぼのつくり方をご紹介します。
田んぼの準備は、4月に始まります。
富山では、朝晩はまだまだストーブをつけたくなるような寒さが残っています。
田んぼへの入水を止めたのは、昨年 9月の稲刈り前。
それ以降、田んぼは再び畑(水の張っていない農地という意味)の状態で冬を越しました。畑では、早くも春を感じて芽吹いた草や越冬した草たちが春を感じ生長を始めています。それらの草と自家製のぼかし肥料を土に混ぜ込むように、トラクターで耕します。
小原営農センターでは、冬の間に自家製のぼかし肥料を作っておきます。
ぼかし肥料とは、有機質のもの(米ぬかや大豆、なたね搾りかす)を微生物の力で発酵させた肥料のこと。米ぬかなどは直接畑に蒔いても土壌になかなか吸収されず、作物の栄養となるまで時間がかかるという欠点があります。それを克服するため、あらかじめ吸収されやすい状態まで発酵を進めます。
作物や土質に合わせて素材を組み合わせて作る、オリジナルの肥料です。
水田には必ず、水を入れるための水口(みなくち)がついています。水口は、隣接する用水路と繋がっていて、扉を開けたり閉めたりすることで農地へ水を入れたり止めたりすることができます。
この日、次の荒くり作業に向けて、水を入れ始めました。
この時点では田んぼというより、畑の土と水という感じです。
「荒くり」とは、水と土をなじませる作業。トラクターに専用の作業機を付けて行います。
作業機にびっしりついた爪で表面から20cm程の土を水と撹拌し、土の中にたっぷり水分を含ませます。土が泥のようになり、見た目もすっかり田んぼに。水持ちもずいぶんと良くなります。
田植えを3日後に控えたこの日、荒くり同様トラクターで行う攪拌作業を「代かき」といいます。作業自体は荒くりと同じですが、大事な目的が2つあります。
荒くり作業で雑草の種が土壌表層に浮き上がり、雑草が繫茂してしまうことを防ぐため、雑草の種を土深くまで埋め込むように再度攪拌します。
化学合成された農薬に頼らずに雑草の被害を抑えるための考え方は2つ。草の生育を抑える「抑草」と、生えた草を取り除く「除草」。
今回の目的は、抑草です。
その他の「抑草」の例として、葉が4葉以上まで育った苗を田んぼに植え付けること、代かきで雑草の種を土深くまで埋め込むことがあります。いずれも、苗と雑草の生育に差をつけることで、雑草が優位に育つのを抑制する目的があります。
田んぼの表面を均すことで、稲一株一株の生長にムラを無くします。この作業は、田植え機での植え付けやそのあとの除草機での作業の精度を上げることにも繋がります。
これらの作業を経て、田んぼの準備が出来上がります。
次回有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業では、田植えや除草機での作業をお伝えします。
【富山県・小原営農センター】有機米日記①有機栽培米づくり 苗を育てる
【富山県・小原営農センター】有機米日記②有機栽培米づくり 田んぼの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業
【富山県・小原営農センター】有機米日記④有機栽培米づくり 溝切・中干し
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑤有機栽培米づくり 追肥・出穂
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑥有機栽培米づくり 稲刈りの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑦有機栽培米づくり 稲刈り
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑧有機栽培米づくり 出荷・食味検査
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