島根県の奥地 弥栄町「やさか共同農場」を訪問してきました
2024.9.16
富山県富山市にある小原営農センターの有機米づくりの作業風景をお届けします。9月の収穫までの様子は、小原営農センターの黒瀬さんにお伺いします。
前回の記事有機米日記④有機栽培米づくり 溝切と中干しでは、除草後の溝切と中干し作業を紹介しました。今回は、田んぼの追肥作業と有機米の出穂の様子をお伝えします。
田植え後、約1カ月。植えた苗は分けつ(生育が進み、根元付近から新芽が伸びて株分かれすること)を増やし、1本から6本になりました。
中干し作業を終えると、田んぼに水を溜めたままにせず、定期的に水を抜いて管理していきます。土の中に酸素を送り、稲の根が伸びるように促すためです。新しく伸びた根っこが春に撒いた肥料を吸い出すと葉の色はどんどん濃い緑に変わり、日ごとに葉や茎が太陽に向かって伸びてゆくのが分かります。
田植え後、約2カ月目。
前回の後半でご紹介した6月末から2週間経ちました。葉っぱは2枚増え、10枚目が生育中です。
残念ながら、株元では取りきれなかった雑草たちも元気に生育しています。
除草剤を使わない有機栽培では、この時点で除草することは難しく、稲の生育が雑草に勝ってくれることを祈るばかりです。田植え直後の除草作業がいかに大切か思い知らされます。
種蒔きの日数から計算すると、そろそろ茎の中で穂の赤ちゃんが作られる、「幼穂形成期(ようすいけいせいき)」に入っているはずです。茎を割って調べてみます。
茎を1本引っこ抜き、根元からカッターナイフで縦に割いていきます。茎の中に白い三角のものが見えます。(握っている親指の先あたり)
これが穂の赤ちゃんです。長さは1cmほど、順調に生育しているようです。
ここからだいたい2週間ほどかけて葉の付け根まで上がってきて、穂として出てきます。この穂がより良い実りに繋がるよう、このタイミングで肥料を与えることにしました。
今回与える肥料は窒素分を多く含んでいる鶏糞や酒粕を主成分とした有機肥料です。穂にしっかり栄養を与えることに重点を置いて選んでいます。
有機肥料を動力散布機(肥料等を散布する機械)に入れて背中に担ぎ、歩きながら田んぼに向かって飛ばしていきます。
担ぐ重さは、機械15kgに肥料15kgの計30kg。田んぼの畔(あぜ)は土や石でできていて足元が不安定です。そんな畔道を行ったり来たり。
気温がぐっと上がる7月中旬、農業の重労働を象徴するような仕事です。
一般的な慣行栽培では、追肥が必要ない「一発肥料」と呼ばれる化学肥料が主に使われます。これは、春に1度与えると生育後半まで持続的に効果が出るように設計された肥料です。有機栽培をする小原営農センターでは、地道な重労働をこなしながら、一発肥料を使わない栽培を続けています。
また、肥料の量にも気をつけます。肥料過多は「いもち病」の発生リスクを高めるためです。いもち病は、お米の栽培において、最も被害が多い病気です。発生すると葉や穂を枯らし、最悪の場合、収穫できなくなることもあります。小原営農センターのある富山県富山市は、いもち病の多発地域。追肥作業は慎重に行います。
予想通り、穂が出てきました。
2週間前に9本あった分けつ。そのすべてから穂が出るかと思いきや、穂は6本しか見られませんでした。穂が出なかった3本のように、勢いの弱い分けつは淘汰されてしまうことがあります。9本出穂すれば収穫量が増えたかもしれません。しかし、肥料を増やすことはいもち病の発生リスクに繋がります。そこで、水の管理はどうだった?中干し作業を強く行い過ぎていないか?など様々な側面から、今年のお米づくりを振り返り、来年に活かします。
穂先をよく見てみるとお米の形をしていますが、まだ中身は入っていません。花が咲き、受粉したら中身が実ります。黄色く見えているのがおしべ、今後花が咲き、めしべが顔を出してきます。
次回は、お米の花や登熟の様子、稲刈り準備の草取り作業などをお届けします。
【富山県・小原営農センター】有機米日記①有機栽培米づくり 苗を育てる
【富山県・小原営農センター】有機米日記②有機栽培米づくり 田んぼの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業
【富山県・小原営農センター】有機米日記④有機栽培米づくり 溝切・中干し
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑥有機栽培米づくり 稲刈りの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑦有機栽培米づくり 稲刈り
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑧有機栽培米づくり 出荷・食味検査
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