島根県の奥地 弥栄町「やさか共同農場」を訪問してきました
2024.9.16
小原営農センターは、美しい富山湾と北アルプスとも呼ばれる飛騨山脈に囲まれた自然豊かな富山県富山市にあります。田畑のそばにある神通川に流れ込む立山連峰の雪解け水を活かして、有機栽培のお米作りをしています。
化学合成された農薬や化学肥料を使わず、除草剤や殺虫剤に頼らない、地域に根ざしたやり方で持続性のある循環型農業に取り組みたい。そんな想いでお米・大豆・季節の野菜を栽培しています。
今回は小原営農センターの黒瀬さんにお話を伺い、9月の収穫まで有機米の作業風景をお届けします。
〈黒瀬さんより皆様へ〉
私たちは安心して食べられる農産物を安定して供給し、その方法が田んぼや田んぼをとりまく環境、担っていく生産者にも負荷が少なく持続可能な方法である、そんな農業を常に模索して取り組んでいます。
まだまだ道半ばで、課題はありますが、私たちのいつもの作業風景をご紹介できればと思っています。
化学合成された農薬や化学肥料に頼らず農作物を育てるには、苗づくりがとても大切です。
「苗半作(なえはんさく)」という言葉があり、どんな苗を作るかでその年のお米の出来が半分は決まってくるという意味です。「有機栽培なら苗8割作」と言う方もいるくらい苗作りは大切な部分です。
小原営農センターの皆さんが目指すのは、「がっちりした苗」。田んぼに植え付けたあと、根を張るのが早く、除草作業に耐えるほど健康で丈夫な苗です。種もみ(種)が発芽して葉が4葉以上まで育った時に、腰が低く太く、葉がピンッと立った苗だけを厳選しています。
この「がっちりした苗」を作るため、小原営農センターでは一般的なお米作りではほとんど行われなくなった「塩水選(えんすいせん)」と「温湯消毒(おんとうしょうどく)」という2つの作業を取り入れています。
栽培に向いている良い種もみを厳選する作業です。
種もみ(種)を塩水に浸けて、浮かんできた比重の軽い種もみを手作業で取り除き、重く沈んだ種もみと分けます。種として使うのは沈んだほうの種もみです。
その名の通り、60℃程度の温かいお湯に種もみを10分ほど浸けることで種もみの中にひそむ様々な種子由来の病害を防ぐ方法です。化学合成された農薬を使わず、十分な効果が得られます。
温湯消毒をしたら、種もみを常温の水に1週間程度浸けて、発芽に必要な水分を吸わせます。
種まき直前の種もみ。お米の胚芽部分から白い芽が出てきそうです。たっぷりと水を吸収して芽がでる準備ができています。
土を敷いた苗箱に、種蒔き用のベルトコンベアで種を播いていきます。
小原営農センターでは、種と種の間隔に気をつけます。
種同士の密度が高すぎると、自ずと細い苗になり、光を取り合って葉っぱも伸びてしまいます。苗箱ごとに均等な間隔で均一な量の種もみを蒔くことが、その後の苗の元気な生長に繋がります。
種を蒔き、
土をかぶせ、水を与えます。
その後、苗箱を台車に積み上げ、カバーで覆い、ヒーターを使って3日程度加温します。出芽がそろい、均一な苗になるようにします。
このにょきにょきと顔を出している小さな白いものがお米の芽です。
一粒から一つの芽が綺麗に並んで発芽していることが確認できます。
抜いて観察してみるとこんな感じ。
地上に顔を出している白い芽以上に根っこの方が長く伸びていることがわかります。
この後、苗箱をハウスに並べ、苗を育てる準備をします。
この日は、1度で1,600枚もの苗箱を並べるため、地域の方々に手伝ってもらったそうです。
次回、有機米日記②有機栽培米づくり 田んぼの準備では、苗を植える田んぼの準備作業をお届けします。
【富山県・小原営農センター】有機米日記①有機栽培米づくり 苗を育てる
【富山県・小原営農センター】有機米日記②有機栽培米づくり 田んぼの準備
【富山県・小原営農センター】有機米日記③有機栽培米づくり 育苗・田植え・除草作業
【富山県・小原営農センター】有機米日記④有機栽培米づくり 溝切・中干し
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑤有機栽培米づくり 追肥・出穂
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑦有機栽培米づくり 稲刈り
【富山県・小原営農センター】有機米日記⑧有機栽培米づくり 出荷・食味検査
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