季節の有機野菜でつくる、汁を楽しむ 水キムチのレシピ
2022.8.9
韓国出身の料理研究家タクミセイコさんによる、韓国家庭料理のレシピ。材料はビオ・マルシェの宅配のオーガニック食材を使っています。今回は韓国の定番おかず、ナムルのレシピとナムルを使ったビビンバのレシピも教えていただきました。
目次
韓国料理の副菜「ナムル」。旬の野菜を調味料で和える、韓国の食卓に欠かせないおかずです。手軽に作れて、栄養バランスが良いので、日本の方にも人気のある韓国料理のひとつですね。
今回はナムルを作るときに大事なポイントをお伝えします。このポイントさえ守れば、どんな野菜でもおいしいナムルが作れます。
本場のナムルは味噌、コチュジャン、醤油などいろいろな味付けがありますが、今回は作ったナムルをビビンバにするので、おいしい塩と油でシンプルな味付けに仕上げます。
鍋が小さく、水が少ないと野菜の茹で加減にムラがでます。さらに、水が少ないと野菜から出るえぐみが残りやすいです。大きな鍋でさっと茹でて、手早く冷水につけて粗熱をとることで、野菜本来のシャキシャキ感を楽しめます。
野菜を色鮮やかにするという理由もありますが、野菜に軽く下味をつけるためにも、塩をいれます。
水気を絞りすぎるとパサパサし、水分が残りすぎると油がうまく野菜をコーティングしてくれません。例えば、ほうれん草のおひたしを作るときは、野菜水切り器(サラダスピナー)を使うと丁度よい具合に水切りできます。
最初に油をいれて野菜をコーティングすることで、水分が出にくく、少し時間が立ってもおいしくいただけます。
野菜の食感が残る程度に茹でて、調味料で和える「茹でナムル」。
有機ルッコラ…1束
国産有機えごま油…小さじ1/2
塩…少々
粉末だし…少々
すりおろしにんにく…香りづけ程度
有機金いりごま…少々
ナムルづくりのポイントを参考にして、茹でたルッコラを用意する。
Aのえごま油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。いりごまは軽く指でつぶしながらいれる。
菜の花は柔らかい蕾と葉だけを使います。茎を使う場合は、できるだけ薄くスライスして使ってください。
有機菜の花…1束
有機金ごま油…小さじ1
有機アマニ油…小さじ1/2
塩…少々
粉末だし…少々
ナムルづくりのポイントを参考にして、茹でた菜の花を用意する。
Aのごま油、アマニ油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
ケールは葉っぱが大きいので、あらかじめ手で食べやすい大きさにちぎります。茎を使う場合は、できるだけ薄くスライスして使ってください。
有機ケール…1束
有機金ごま油…小さじ1
有機アマニ油…小さじ1/2
塩…少々
粉末だし…少々
ナムルづくりのポイントを参考にして、茹でたケールを用意する。
Aのごま油、アマニ油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
ひらたけ…1パック
有機金ごま油…小さじ1
塩…少々
粉末だし…少々
すりおろしにんにく(香りづけ程度)…少々
有機金いりごま…少々
①鍋に水をいれて沸騰させる。
②ひらたけの石づきを落とし、手で一本ずつ裂く。鍋に裂いたひらたけをいれて10秒茹でる。ザルにあげて湯を切り、粗熱を取る。きのこのコリコリ食感を残したいので、水分はしっかりめに絞る。
③②をボウルにいれて、Aのごま油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。いりごまは軽く指でつぶしながらいれる。
有機切り干し大根…20g
国産有機えごま油…小さじ2と1/2
塩…少々
粉末だし…少々
①切り干し大根を水にいれて、5分程浸して戻す。
②柔らかくなりすぎる前にザルにあげる。沸騰したたっぷりのお湯を上からかけて、すぐに冷水につけて手早く冷ます。
③水分を絞りすぎると油を吸いすぎるので、しっとり感が残る程度に絞ってボウルにいれる。
②Aのえごま油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
野菜のうまみをぎゅっと閉じ込めるように蒸して、調味料で和える「蒸しナムル」。
有機栽培大豆もやし…1袋
有機金ごま油…小さじ1
塩…少々
粉末だし…少々
すりおろしにんにく(香りづけ程度)…少々
有機金いりごま…少々
①鍋におちょこ1杯分程度の水と大豆もやしを入れてフタをし、中火で蒸す。(途中でフタをあけると豆独特の青臭さが残るので、できるだけあけないようにしてください。)
②湯気が出てきたらそこからさらに30秒蒸す。豆に火が通っているか確認してからザルにあげて湯を切り、粗熱を取ってボウルにいれる。(蒸して残った汁は栄養がたっぷりなので、捨てずにそのまま飲んでもおいしいです。)
③Aのごま油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
野菜に火を通さずに調味料で和えて、素材そのものの味を楽しむ「生ナムル」。
有機人参…1本
有機アマニ油…大さじ1
塩…少々
粉末だし…少々
①人参をスライサーで厚さ2mm、長さ10cm程度にスライスする。
②スライスした人参を千切りにして、ボウルに入れる。
③Aのアマニ油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
有機紅くるり大根…1/2個
有機えごま油…大さじ1
塩…少々
粉末だし…少々
レモン…香りづけ程度に
①紅くるり大根をスライサーで厚さ3~4mm、長さ10cm程度にスライスする。
②スライスした紅くるり大根を千切りにして、ボウルに入れる。軽く塩を振ってしばらく置き、出てきた水分を絞る。
③Aのえごま油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
有機ピーマン…2~3個
有機金ごま油…小さじ1
有機えごま油…小さじ1/2
塩…少々
粉末だし…少々
①ピーマンを半分に切り、中の種や白いワタ、芯をとる。
②長さを揃えるように斜めに千切りにして、ボウルに入れる。
③Aのごま油、えごま油をいれて箸でまんべんなく軽く混ぜ、塩から順に加えて和える。
昔は今のようにビニールハウスで野菜を育てる技術もなかったので、いつでも野菜が食べられるわけではありませんでした。日本も同じだと思いますが、春は特に野菜が手に入りません。それで山や野原へ山菜を取りに行くようになりました。韓国は山が多く、全体の約70%を山が占めています。晴れた日が多く、空気が澄んでいるので山菜や野野菜(つくしやよもぎなど)が育ちやすい地形なのだと思います。そこから取ってきた山菜を食べるようになったことがナムルの始まりだと言われています。特に冬は身体を動かすことが少ないので毒素が溜まりがちです。昔の人は、少し苦みのある春野菜や山菜を食べることで知らず知らずのうちにデトックスしていました。今になって春野菜のデトックス効果は科学的に証明されていますが、先人の知恵には驚かされます。
ナムルは、料理本ではよく常備菜として紹介されています。また、韓国でも一度に仕込んで毎食少しずつ食べる家庭もあります。でも、日本の野菜は韓国の野菜より水分が多いので、日本の野菜で作るナムルは常備菜には向いていないと思います。やっぱり時間が立つと水分が出ますし、油も使っているので酸化も進みます。なにより味が落ちて、どうしても作り立てより美味しく食べられません。私はナムルを作ると、できる限りその日に食べ切るようにしています。ビビンバにしたり、キンパ(韓国の海苔巻き)にしたり、刻んでおにぎりの具にすることもあります。
でも忙しい時は、ナムルを作っておいて、ご飯作りの負担を減らしたい時もありますよね。今回作った中だと、水分が出にくい切干大根や人参のナムルは常備菜にしてもいいと思います。
次は、ナムルを使ってビビンバを作りましょう。
ご飯にナムル、コチュジャン、ごま油や韓国海苔をいれて混ぜて食べる「ビビンバ」。韓国では、わざわざビビンバを作るというよりも、少しずつ余ったナムルや、冷蔵庫にあるものをいれて作ることがほとんどです。余り物をまたおかずとして食べると味気ないですが、ビビンバにすると不思議と食が進みます。ナムルを入れて混ぜるだけでは?と思うかもしれませんが、美味しく食べるにはポイントがあります。
粘りが出るぐらいとにかくよく混ぜること。これが本場韓国の食べ方です。
コチュジャンにひき肉とナッツをいれた「ヤクコチュジャン」。日本でいう「肉味噌」です。ビビンバにいれる以外にも、冷ややっこに乗せたり、麺類と和えたり、茹でた野菜にディップしたりと、使い方は無限です。ただのコチュジャンに比べてボリュームがあって栄養満点なので、息子が軍隊に行くときや長期間の旅に出る時にこしらえるお母さんが多いと思います。
牛ひき肉…100g
有機ニンニク(すりおろし)…小さじ1/2
有機金ごま油…小さじ1
有機醤油…大さじ1/2
オーガニック黒コショウ…適量
ミックスナッツ…40g
コチュジャン…100g
有機白米甘酒…大さじ2
酒…大さじ1
粉末だし…小さじ1
有機金ごま油…適量
①ボウルに牛ひき肉、Aを入れて下味をつける。この時に箸で優しくほぐす。(手でぐちゃぐちゃ和えると肉が固まるので注意する)
②温めたフライパンにごま油をひき、①を箸でほぐしながら炒める。
③①に火が通ったら、コチュジャン、酒、粉末だしをいれて弱火でじっくり炒める。
④味がなじんだら甘酒をいれて煮詰める。甘酒の代わりにオリゴ糖や水あめ、梅シロップでもよい。(砂糖は焦げやすいのでおすすめしません)
⑤水分が十分に飛んだら、ミックスナッツを包丁でくだいて④にいれてなじませる。ナッツの食感を残したいので、ミキサーは使わずに包丁で粗めに砕く。
冷蔵庫にいれておけば、1か月程度は保存がききます。時間がたてば出来立てよりまろやかになるので、味の変化も楽しんでくださいね。
ビビンバのはじまりもさまざまな話があります。ご先祖様が亡くなった日に行う「チェサ」は日本でいう法事のようなものです。一説は夜中にチェサを行うので、夜遅くてもさっと簡単に食べられるようにいろんな料理を混ぜて食べるようになったというもの。また、旧正月「ソルラル」を迎える前日に残り物を置いておきたくないので、食べ物をかき集めてご飯に混ぜたことがはじまりという話もあります。ほかには、田植えや稲刈りの時は近所の村人で助け合う習慣があり、忙しい時期に効率よく仕事をこなすために食べ物を畑に持っていって、全部混ぜて食べるようになったという説もあります。
ここからは、ビビンバによく合うおかずとスープのレシピを紹介します。
「プッチム」は野菜などの具材を小麦粉と一緒に混ぜて油で焼いたものです。チヂミやジョンと同じですが、プッチムの方が家庭や屋台など、よりカジュアルに食べられる時に使います。旬の野菜に加えて、さつまいもやかぼちゃをいれると甘みが出て、大人から子供まで楽しめる味になります。
有機さつまいももしくは有機かぼちゃ(1~2mmの千切り)…70g
有機青ネギ(10cmのざく切り)…1/2束
有機ニラ(10cmのざく切り)…1/2束
有機玉ねぎ(3mmの薄切り)…1/2個
国産有機小麦粉(薄力粉)…200g
塩…小さじ1/2
粉末だし…小さじ1/2
有機醤油…小さじ1/2
オーガニック黒コショウ…少々
水…250ml
有機金ごま油…適量
①大きめのボウルにAと水を少しずつ加えながら、泡だて器で混ぜる。この時に薄力粉がダマにならないようにとかす。
②野菜を①にいれて混ぜる。
③多めのごま油をいれて火をつけ、フライパンを温める。油が少ないと焼きムラができるので多めにいれる。
④フライパンが十分に温まったらタネをいれて中火強にして焼く。温まっていない状態でタネをいれると野菜から水分が出やすいので、しっかり温めてから焼き始める。
⑤タネの周りに焦げ目がついたらひっくり返し、両面こんがり焼く。
プッチムはポン酢とレモンで作るヤンニョムポン酢ダレでさっぱりと召し上がってください。
牡蠣、わかめ、豆腐、ほうれん草が入った具沢山のスープです。牡蠣とわかめを炒めてから煮るので、うまみがたっぷり出たスープに仕上がります。
牡蠣…200g
有機ほうれん草…1束
国内産カットわかめ(水で戻しておく)…8g
有機絹豆腐(1.5cm程度のサイコロ切り)…1丁
有機ニンニク(みじん切り)…1ケ
いしる(ナンプラーやしょっつるでも可)…大さじ1
塩…小さじ1
有機金ごま油…適量
出汁…1ℓ
ナムルと同じようにほうれん草を茹で、食べやすい大きさにカットする。
①深めの鍋にごま油とニンニクを入れて弱火にして香りを出す。
②牡蠣を入れて軽く火が通ったら、わかめを入れてさらに炒める。
③出汁、絹豆腐をいれて沸騰するまで煮込む。
④沸騰したら、塩、いしるを入れて味を調える。味が決まったら、最後にほうれん草をいれる。
今回は、韓国の定番おかず「ナムル」のレシピをご紹介しました。苦みのある野菜や普段ナムルにしないような野菜でも、一度試してみてください。上手につくれるようになると、有機野菜をさらにおいしく、たくさん食べられるようになるはずです。
平飼い卵6個パック
国内産カットわかめ
有機切り干し大根
有機金いりごま
新 鰹屋の合わせだし(粉末だし)
国産有機小麦粉
島田有機絹豆腐
海の精
有機金ごま油
いしる
国産有機荏胡麻油
タクミセイコ
韓国ソウル出身/韓国料理研究家
約30年前に日本に来てから、韓国料理研究家として活動。約15年前から自宅で料理教室を主宰。今は主にインスタグラムで日本人の口に合う韓国料理のレシピを発信。
インスタグラム:@azisai0427
本記事のレシピは、韓国出身の料理研究家タクミセイコさんにご考案頂いています。有機野菜・オーガニック食材の宅配「ビオ・マルシェの宅配」で購入できる食材をふんだんに使った、ここでしか読めないオリジナルレシピです。
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