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アーユルヴェーダって何?~ディナチャリア(1日の理想的な過ごし方)で、心も体も健やかに

アーユルヴェーダの中でも、私たちが毎日を心身ともに健康に、そして心地よく過ごすための秘訣が「ディナチャリア」という、「1日の理想的な過ごし方」です。
私たちも自然の一部ですから、自然のリズムに合わせて暮らすことが健康にいいのは分かると思います。
アーユルヴェーダでは、私たちの体にある3つの生命エネルギー(ドーシャ)ヴァータ、ピッタ、カパが、1日の中で優勢になる時間帯がそれぞれあると考えます。ディナチャリアは、このドーシャのサイクルを意識しながら行動することで、心身のバランスを整え、毎日が快適に過ごせるようになります。1日の理想的な過ごし方について、時間帯ごとに見ていきましょう!

1. 朝の始まり(2時~6時頃:ヴァータの時間)

1日のスタートです。この時間はヴァータの軽さ、動きのエネルギーが優勢なので、体の中からいらないものを出し、心身を整えるのにぴったりです。

早起きで軽やかにスタート!

理想は、日の出の96分前(ブラフマムフルタと呼ばれる神聖な時間)に目覚めることです。遅くとも午前6時までには起きると、ヴァータの軽やかなエネルギーに乗って、一日を気分よくスタートできますよ。

まずはスッキリ排泄から

目覚めたらすぐに、便や尿を済ませて、体の中の老廃物を外に出しましょう。これで体がグッと軽くなります。

お口のケアも忘れずに

歯磨き
苦味や渋みのあるハーブや歯磨き粉、枝を使って歯を磨くと、歯茎を引き締め健康な状態に保ってくれます。
例えば、「ニーム」という薬木は、インドでは「村の薬局」とも呼ばれていて、古くから万能薬として親しまれてきた植物があり、粉や枝を使って歯を磨くのですが、スキンケアや口腔ケアにおすすめです。また、「トリファラ」(3つの果実という意味)は、アムラ、ビビタキ、ハリタキという3種類の果実をブレンドしたアーユルヴェーダの代表的なハーブ製剤もあります。消化促進やデトックス効果で知られていますが、口腔ケアにも有効です。 

タングスクレーパー

舌磨き
タングスクレーパーは、舌に付着した舌苔を取り除くための道具です。寝ている間に舌に白く浮き出たコケ(アーマ、つまり未消化物や毒素のこと)を優しく取り除きます。これは消化力がちゃんと働いているかのサインにもなりますし、口臭予防にもなるんですよ。

U字型やV字型をしており、素材はステンレスや銅、、金などです。アーユルヴェーダで良いとされているのは、金製、そ次に銀で、製以上のものをオススメしています 
私は最初、銅製のものを使っていましたが、銀製のものに変えてからは、舌あたりの優しさから、ずっと銀製を愛用しています。ぜひタングスクレーパーを使ってみてください。

オイルうがい(ガンドゥーシャ)
太白ごま油やココナッツオイルを口に含んで、15〜20分くらいブクブクうがい&ホールドをします。これは、お口の中が浄化されるだけでなく、歯茎を強くしたり、口臭予防、さらには白髪予防や若返りにも役立つと言われています。
オイルを口に含むのは最初、抵抗があるかもしれませんが、行ったあとは驚くほどサッパリします。私は、舌磨きもオイルもしないと気持ち悪いくらいです。旅行にも小瓶に入れて持っていきますよ!

体に優しい水分補給
お口ケア後、まずはコップ1杯の常温の水をゆっくり飲んで、体を目覚めさせましょう。寒い時期は、ぬるめのお白湯がおすすめです。

鼻のケア(ナスヤ)で頭もスッキリ
太白ごま油や薬草オイル、またはギーを2、3滴専用スポイトで鼻の穴に垂らし、吸います。これでドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)のバランスが整ったり、嗅覚がよくなったり、偏頭痛や抜け毛、白髪予防、花粉症対策にも効果が期待できます。
慣れるまでは、指や綿棒で鼻の中に塗るのでもかまいません。

軽く体を動かして、心も整える
額に薄っすら汗をかく程度の軽い運動(ヨガやストレッチ、散歩など)をして、体を活性化させましょう。そのあとは、瞑想や呼吸法(プラーナヤーマ)で心と体を落ち着かせると、気分がスッキリして集中力が高まり、1日の行動がスムーズになります。

 

2. 午前中(6時~10時:カパの時間、10時~14時:ピッタの時間)

朝の準備が終わったら、カパの落ち着いた時間から、ピッタの活発な時間へと移っていきます。

全身オイルマッサージ(アビヤンガ)で全身をケア
温めた太白ごま油や、ご自分の体質に合ったオイルで全身を優しくマッサージしてみてください。これでドーシャのバランスが整って、お肌は潤い、骨や筋肉も強くなるんです。毒素を排出したり、体力をつけたり、アンチエイジングにもいいと言われていますよ。(マッサージ後は、発汗が大切です。湯船に浸かるか、熱めのシャワーを浴びましょう。)※禁忌:生理中・発熱・お腹がいっぱいのときは行わないでください。

清潔にしてリフレッシュ
マッサージ、発汗のあとは、お湯で洗い流すか、洗浄効果の高くない石鹸などで洗い、スッキリさせます。

朝食は軽く、お腹と相談して
お腹が空いていたら、消化に良い軽くて温かいものを適量食べましょう。無理に食べる必要はないので、お腹の調子と相談してくださいね。

 

3. 昼食(正午頃:ピッタの時間)

この時間帯はピッタが一番元気!消化力が最も高まる時なんです。

1日のメインは昼食で!
午前10時~午後2時の間に、その日のメインとなる昼食をしっかり食べましょう。バランスが取れていて、温かく消化によいものを、ゆっくり味わって食べるのがポイントです。ここでしっかり食べることで、その後の消化もスムーズになりますよ。
私も1日の中で、お昼にしっかり食べます。炭水化物を摂るのも昼食にしています。

 

4. 午後(14時~18時:ヴァータの時間)

またヴァータの時間がやってきます。活動的になる一方で、少し疲れを感じやすくなる時間帯です。

休憩とリフレッシュで乗り切ろう
ヴァータが増えると、疲れやすくなったり、集中力が落ちてきたりします。だから、この時間帯には適度な休憩が大切なんです。ヴァータを落ち着かせるような、甘味や塩味の軽いおやつや、フレッシュなフルーツジュースを摂ってリフレッシュしましょう。

 

5.  夕方~夜(18時~22時:カパの時間、22時以降:ピッタの時間)

夜はカパの重く安定した性質を借りて、体を休ませる準備を始めましょう。そして、ピッタが夜の間に体の修復や再生を最大限に行ってくれるように、環境を整えます。

頭にオイルでよい睡眠を
家に帰ったら、太白ごま油やアーモンドオイルなどをコットンに浸して、頭のてっぺん(眉毛の上から指8本分開けた場所)に頭皮に密着するように置き、動かないようにヘアピンなどで止めてください。その状態で夕飯の支度などをします。これがストレスの緩和や、質の良い睡眠に繋がります。(朝に髪を洗うなら、枕がオイルで汚れないようにし、そのまま寝てもOKです)

夕食は軽めに、早めに
消化に負担がかからない軽い食事を摂りましょう。理想は寝る2〜3時間前までには済ませます。寝ているときは胃も休ませてあげましょうね。

お風呂で体を温めて
シャワーやお風呂で体を温めて、リラックスを促しましょう。軽いフットマッサージなどもおすすめです。

心穏やかに過ごす時間(質のよい睡眠のために)
カパの重い性質が優勢になってくるので、激しい活動や、刺激の強い音楽、テレビ、映画などは避けて、心穏やかに過ごすのがおすすめです。家族とゆっくり話したり、本を読んだり、心地よい音楽を聴いたりする時間を持ってみてください。

理想は午後10時就寝!
午後10時までには眠りにつくのが理想的です。カパの重さを借りてスムーズに深い眠りに入り、その後のピッタの時間(午後10時〜午前2時)に、体の修復と再生を最大限に促せるようにしましょう。寝る1時間前にはテレビやスマートフォンは控えて、静かで暗い環境で眠りにつくことが大切ですよ。

ディナチャリアを生活に取り入れるヒント

完璧を目指さなくて大丈夫!
最初から全部を完璧にやろうとしなくても大丈夫です。まずは、ご自分の生活で「これならできるかな?」と思うものから、一つずつ試してみてくださいね。

続けることが一番の力になる
日々の小さな積み重ねが、気づけば心身のバランスを整え、健康な体を作ってくれるんです。
ディナチャリアは、日々の生活を自然のリズムと調和させ、心身のバランスを保つためのアーユルヴェーダの深い知恵です。ぜひこれを実践して、活力に満ちた健やかな毎日を送ってくださいね。

プロフィール

原田 真理

マリのアーユルヴェーダクッキング主宰
アーユルヴェーダスパイス料理研究家
インド政府公認ライフスタイルコンサルタント

沢山のスパイスを使う必要はありません。基本のスパイスの組み合わせを変えるだけで、全く違う味になるから不思議です。いつものお野菜を、新しく変化させてみませんか。

VEGE & SPICE TABLE マリさんのアーユルヴェーダ食堂

2018年からスパイス料理研究家の原田真理さんと料理教室を開催しています。2021年以降はオンライン講座に切替えて、隔月でお届け。講座にご参加いただく方は、予備知識として下記の記事も、ぜひご活用ください。

アーユルヴェーダって何?~アーユルヴェーダ的「食べ方7カ条」
アーユルヴェーダって何?~マリさんのレシピに登場するスパイスや食材と道具
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