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アーユルヴェーダって何?~アーユルヴェーダ的「食べ方7カ条」

2018年から隔月で開催している「VEGE & SPICE TABLE マリさんのアーユルヴェーダ食堂」、2020年からはオンライン講座に切替えてお届けしています。

今回は、講師の原田真理さんによる、アーユルヴェーダ基本講座。第2回目は、前回の記事アーユルヴェーダって何?~自分の体質や特徴を知ることからはじめように続き、アーユルヴェーダが教える食べ方のルール「食べ方7ヵ条」についてのお話を伺いました。日々の食事をするうえで大切な心がけを、わかりやすく7カ条にまとめていただきました。講座にご参加いただく前の予備知識として、ぜひご活用ください。

原田真理さん

原田 真理さん
アーユルヴェーダ・スパイス料理研究家
インド政府公認 アーユルヴェーダ ライフスタイル コンサルタント
マリのアーユルヴェーダクッキングサロン主宰

食べ方7カ条

1.規則正しい時間に食事をする
(ただし、前の食事が消化されてから)
2.自分の消化力に見合った量、質の物を食べる
3.体温より低い飲食物は控える
4. 旬の食べ物、食べ慣れた物を食べる
5.六味が揃った食事をする
6. 美味しく、ホッとする食事
7.複雑でない、簡単な調理の食事

前回は、「アーユルヴェーダの理論と体質別の考え方」についてお話をさせていただきました。今回は、どの体質の方にも実践してほしい、アーユルヴェーダが考える、『食べ方7ヵ条』 についてお話します。

アーユルヴェーダが考える。 と言いましたが、私たちがついつい忘れてしまっている、日本でも昔から言われている事もありますので、一緒に確認してみましょう。

まずアーユルヴェーダでは、消化力をいちばん大切に考えます。
正しい消化の火(アグニ)によって消化された食べ物の栄養素から体組織が作られ、最後に生命エネルギーが生まれます。
そして反対に、うまく消化されずに体組織へと変換されなかった未消化物(アーマ)は、体の中を漂い、自分の弱い場所に引っ付き、そこから病気を引き起こす。とアーユルヴェーダでは考えられています。未消化物(アーマ)を作らないためには、食べ方に気を付け、正しい消化の火(アーマ)をたてることが大切です。

1.規則正しい時間に食事をする(ただし、前の食事が消化されてから)

食べる時間が日々バラバラだったり、食べたり食べなかったり。お仕事や家事などで、規則正しい時間に食事を摂ることが難しい方も多いと思いますが、なるべく同じ時間帯に食事をする事を意識してみて下さい。
けれども、それは前の食事が消化されてから!です。 お腹が空いてないのに、「お昼になったから何か食べなくっちゃ」 といって食事をすると、胃の中に入った食べ物は上手く消化されず、未消化物(アーマ)となります。お腹が空いてない時は自分のお腹と相談して、食事を抜くことも大切です。

2.自分の消化力に見合った量、質の物を食べる

ひとりひとり性格が異なるように、消化力もそれぞれ違います。また、それは季節や時間によっても変わってきます。自分の消化力に見合った量、質の目安は、食事後2〜3時間で食べた物が消化されている状態です。ですので、これが出来ていれば、1.でお伝えした、規則正しい時間にお腹が空いているはずなのです。
例えば、日本でいわれている「腹八分目」、アーユルヴェーダでも胃の2/4を固形物、1/4を液体、あとの1/4は空けておくように食べましょうと言われます。1回分の食事量の目安は、自分の両手のひらに載る量です。普段の食事を想像してみてください。ピッタ体質の私は、すぐにお腹が空いてしまうのでこれでは物足りなく感じますが、皆さんはいかがでしょうか?

3.体温より低い飲食物は控える

アーユルヴェーダでは、「消化力を大切に考える」 とお伝えしました。消化力は、アグニ(消化の火)と表現します。同じアグニでお野菜をやわらかく湯がきたい場合、冷蔵庫から出したばかりの冷たいお野菜を調理した時と、常温のお野菜を調理した時とでは調理時間が変わってきます。火に水をかけると消えてしまうように、冷たいものを食べると消化力が弱まるため、温まるまでにも時間がかかり、それだけ消化に負担がかかるのです。さらに消化酵素も、体温くらいの時が活発に働いてくれます。

4. 旬の食べ物、食べ慣れた物を食べる

春は、カパ(土のエネルギー)が溢れ出す時期なので、それを鎮静する菜の花、ふきのとう、たけのこなどの苦味の野菜を摂ります。夏は、身体の余分な熱を取ってくれる、きゅうりなどのウリ科のお野菜が旬を迎えます。
今は、季節に関係なく、1年中いろいろな野菜が売られていますが、自然の摂理に逆らわず、自然の恵みが生み出す、その時期に身体が必要とする性質を持った食材をいただくことを心がけたいですね。
そして、食べ慣れたものには、ご先祖から伝わるもの、その土地に伝わるものがあります。私たちの持つ消化酵素は、この食べ慣れたものにはよく働くのですが、逆に食べ慣れてないものに関しては、うまく消化が出来ないようです。
たまに食べる分には問題ないですが、常食していると未消化物(アーマ)が増えます。他所の国や、目新しいお料理は見るだけでもワクワクしますが、たまにいただく程度にしておきましょう。日頃は、慣れ親しんだものを食べるようにしましょう。

5.六味が揃った食事をする

アーユルヴェーダでは食べものの味を、「甘味 ・ 酸味 ・ 塩味 ・ 辛味 ・ 苦味 ・ 渋味」の6味に分類します。食事にこの6つの味が揃っていると、3つのドーシャのバランスが取れて、とても満足感が得られると考えます。
とはいうものの、6つの味を同じ量摂る必要はありません。主食であるごはん(甘味)は必然と多くなりますし、酸味や辛味、苦味、渋味はバクバク食べられるものではありませんから、少しの量で充分です。

6. 美味しく、ホッとする食事

心と体の両方が健康であることが、本当の健康だとアーユルヴェーダでは考えます。そのため、「嫌いなものは食べなくていい」とも言われています。イヤイヤ食べたものは、身体にうまく消化吸収されず、良い体組織に変換されないからです。口の中に入れた瞬間に美味しく、ホッとする食事は、心も脳も喜び、体にも良い影響を与ると考えます。
そして、「作り手の気持ちが食事の質を変える」とされるので、愛情を込めて作られたお料理は美味しくホッとし、消化にも軽いというわけです。

7.複雑でない、簡単な調理の食事

一度揚げてから煮込んだり、炒めたり。と、調理の行程が多い複雑な食事は、消化に負担がかかるため、シンプルな調理の食事をすすめています。
私の個人的な考えでは、消化に負担がかかるだけでなく、いろいろな行程が入ることで、3つのドーシャが増して、エネルギーのバランスも悪くなるのではないかと思います。

さいごに

ここに上げた『7ヶ条』だけでなく、アーユルヴェーダには他にも、食べ方のルールがありますが、まずは、7つの食べ方を意識して、体調の変化を観察してみてください。

 

 

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