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大土橋シェフに聞く 8周年イベントの意外なメニューの理由

2023年11月、東京・中目黒のフレンチレストラン「クラフタル」で開催された開店8周年イベントを取材させていただきました。

クラフタルは、生産者の想いと素材の個性を大切にした、物語性のある前衛的なフランス料理を提供するフレンチレストランです。ビオ・マルシェのホームページで連載中の「Tales From Organic Farm」では、シェフの大土橋真也さんに、ビオ・マルシェの食材を使ったレシピを考案頂いています。

ビオ・マルシェのスタッフが訪問したのは、開催当日。イベント開始直前のレストランにおじゃまして、シェフのお話を聞くことができました。

中目黒クラフタル 大土橋シェフ

大土橋シェフへのインタビュー

ビオ・マルシェ:

周年イベントについて教えてください。

大土橋シェフ:

毎年1回、開店当初からのお得意様をお招きして、周年イベントを開催しています(コロナ禍中は一時中止)。毎回、通常営業とは全く違う特別メニューを提供していて、今年のメニューはおでんです。

周年イベントで提供される「クラフタル流」おでん

ビオ・マルシェ:

フレンチとおでんの組み合わせが意外です。あえて和食をメニューとして選んだ理由は?

大土橋シェフ:

周年イベントを、お客様とスタッフがしっかり会話できる機会にしたかったからです。当初は、フレンチのコースを提供していたんですが、調理に時間がかかるのでスタッフが厨房に入りっぱなしになり、お客様と会話する時間がほとんど取れなかったんです。

お客様にご支持頂けるサービスを提供するためには、スタッフ全員がお客様のことをしっかり理解することが欠かせません。とくに調理スタッフはふだん厨房から出てくることがないので、お客様と直接会話できる時間が少ないですよね。なので、こういった時間をつくって、スタッフもお客様と一緒に食事をさせていただくことで、お客様のお好みや反応などを実感できるとても良い機会になります。

また、おでんなら、一度作ってしまえば、あとはお客様ご自身で好きなものを取って召し上がっていただけます。セルフサービスでもカナッペとかだと、時間が経つと乾いてしまいます。おでんだったらその心配はありません。時間が経っても美味しく食べられるので、お客様がいついらしゃっても大丈夫です。

ビオ・マルシェ:

「クラフタル流」のおでんの、こだわりを教えてください。

大土橋シェフ:

定番から変わり種も含めて、具材は約70種類作っています。フレンチならではの具材としては「鴨」などを入れています。素材の個性に合わせて、練り物・魚介、野菜、肉類の3種類を作りました。有機野菜や練りものを中心に、ビオ・マルシェさんの食材もたくさん使わせてもらいました。

「クラフタル流」おでんの紹介

①魚介のおでん

魚介類たっぷり、練り物を中心に定番具材がたくさん入ったおでんです。具材は、練り物、飯蛸、白子、黒バイ貝、牡蠣など。

②お出汁のおでん

有機野菜の繊細な風味を活かすために、肉や魚は入れず、すっきりと澄んだ出汁で煮込んでいます。具材は、大根、人参、餅巾着、せり、出汁巻き卵など。

③お肉のおでん

鴨や猪、豚など様々なお肉が入って、こってりした味わいです。具材は、鴨つくね、猪脂、豚バラ、白滝、卵、舞茸、さつまいもなど。

お肉を入れる前の状態
色々なお肉を加えていきます

当日17時過ぎ、シェフとの話が終わる頃から、お客様が来店し始めました。

お客様は、厨房前のカウンターに並んだ3種のおでんから、セルフサービスでお好みの具を選んで席につきます。
席では、スタッフとお客様が楽しそうに会話している姿がとても印象的でした。

Tales from Organic Farm フレンチ一つ星 大土橋シェフとビオ・マルシェの有機野菜

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