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フレンチ一つ星・大土橋シェフ、有機酢のつくり手・庄分酢(福岡県大川市)を訪問

フレンチ一つ星・大土橋シェフとともに、ビオ・マルシェの有機酢を作る「庄分酢」(福岡県大川市)を訪れました。

「庄分酢」は1711年から300年以上にわたって酢の醸造を行っており、現社長は14代目。約260年前に建てられた酢蔵と母屋は、この地区に現存する民家では最も古く、市指定文化財にも登録され、歴史を感じられる建物です。

訪れた週末にも「第26回酢蔵開き」という庄分酢が主催している酢蔵見学などのイベントを控えていました。また、同社は大川市の榎津地区に構えていますが、隣接している小保地区と、「小保・榎津地区藩境まつり」が同時開催されるタイミングとあって、周辺地域もまつりの準備でにぎやかな雰囲気です。

庄分酢の外観

創業家出身で常務の高橋清太朗さんにお話しを聞きました。庄分酢は2001年に有機認証を取得し、ビオ・マルシェでの取り扱いもその時から。酢の製造方法は昔から変わらず、発酵に3ヵ月~半年程度時間をかける静置発酵という手法を取っています。「戦後、需要が大幅に伸びた時期にはお酢屋さんがたくさんありましたが、大手メーカーが24時間程度と短期間で大量生産し全国展開し始めました。そうしたなか、うちは差別化を図るために、昔ながらの製法を続けることにしました」と高橋さん。同社の製造方法の一部は「巻物」に記されており、高橋家で代々家宝として引き継がれているそうです。

大土橋シェフと庄分酢高橋常務

早速、製造責任者の福山さんにご案内いただき、お酢を製造している蔵の見学です。母屋の店舗のすぐ横に、今も使われている高橋家の居住スペースがあります。お客様にいつでも対応できるように、そのような作りになっているとのこと。

高橋家の居住スペース1
高橋家の居住スペース3

最初は昭和5年にできた「昭和蔵」です。蔵の中に1歩入るだけでお酢の香りを強く感じます。この蔵には木桶が9本あり、これらの木桶は大正時代から使っているそうですが、木桶を作ったり修繕したりする職人が年々減っているそうで、非常に貴重です。

庄分酢の昭和蔵1
庄分酢の昭和蔵3

1週間程前に仕込んだばかりの桶の中を見させていただくと、酢酸菌による膜が張ってあり、温度は38~39度となっていました。酢を作る上で重要な酢酸菌の働きを活性化させるため、福山さんは1,2週間おきに酢酸菌を別の桶に移しているそうです。また、酢酸菌もこの蔵で代々引き継ぐことで生き続けているとのこと。大土橋シェフも木桶の中を興味深くのぞき込んでいます。

木桶の中を覗き込む大土橋シェフ
木桶をのぞき込むシェフ
木桶の中の様子1
木桶の中の様子

続いて、くろ酢を製造している様子を見学。こちらは半分地中に埋まった陶器製の甕(かめ)を使っています。

原材料は、有機玄米、麹米、水。毎年、年2回(3月と9月)仕込み、それぞれ発酵が半年後に終了し、そこから熟成に入ります。こちらも菌の手入れがポイントで、雑菌が増えないよう基本的には毎日甕を確認するそうです。近年は温暖化の影響もあり、仕込む時期も微妙に調整されているとのこと。ここでも福山さんと大土橋シェフで菌について熱く語り合っていました。

庄分酢のくろ酢の甕2
庄分酢のくろ酢の甕3
庄分酢のくろ酢の甕5

「明治蔵」へ移動し、酒粕を使って粕酢を製造している甕を見学。粕酢とは、いわゆる「赤酢」のことです。庄分酢で作られている粕酢は、原料となる酒粕がどの米を使ってできたか確認できるようになっています。それだけ原料にもこだわっており、1年程かけて製造しているそうです。

粕酢は製造するのが難しく、出荷量も限定されていますが、酢飯用に寿司屋からの引き合いが多く、最近は東京だけでなく福岡でも人気が出てきているとのこと。大土橋シェフも旨味成分の香りに驚いていました。

酒粕を使った粕酢の甕1
酒粕を使った粕酢の甕2

その後、母屋の2階に併設されたレストランで昼食をいただきました。こちらのレストランでは酢と旬の食材を使ったコース料理を楽しむことができます。県外からのお客様も多いとのことで、この日も平日にも関わらず店内は予約で満席でした。食前酢から始まり、メイン、デザートまでボリュームたっぷりのコースでしたが、全ての料理に酢が使われているため、あっさりとして食べやすく、皆さん完食されている様子でした。酢は食欲増進効果があり、大土橋シェフもレストラン「クラフタル」の食前のドリンクとして活用できるのでは、と話していました。

母屋の2階のレストラン2
母屋の2階のレストラン3
母屋の2階のレストラン4
母屋の2階のレストラン メニュー 

最後に改めて、高橋さんからお酢の活用方法や今後の展開、おすすめ商品の試飲をさせていただきました。「これまで代々受け継がれてきた歴史や思いを知ることができ、そういったストーリーを生かしたレシピを考案したい」と大土橋シェフも帰りの道中で料理イメージを膨らませている様子でした。

Tales from Organic Farm フレンチ一つ星 大土橋シェフとビオ・マルシェの有機野菜

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