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心を鎮める スープジャーのお弁当② ~ 秋に向けて、身体にこもった熱をクールダウン | VEGE & SPICE TABLE マリさんのアーユルヴェーダ食堂 vol.13

「VEGE & SPICE TABLE マリさんのアーユルヴェーダ食堂」は、2020年8月で3周年を迎えました。

対面での料理教室が開催できなくなり、約半年。
これまでとは違ったかたちで皆さまとつながり続ける方法を模索する日々が続いています。

今回は、前回7月に教わったレシピ(心を鎮める スープジャーのお弁当~夏の有機野菜で身体の余分な熱を取る)に続き、秋に向かう今の季節の過ごし方と、旬の有機野菜を使ったお弁当のレッスンです。

季節の過ごし方~9月

9月に入りました。
朝晩は気温が少しさがり、虫の声が聞こえるようになり秋の気配を感じます。
真理さん、ようやく秋がやってきますね?

真理さん:そう、ひと昔前までは9月は秋と言えましたね。けど、最近は気候変動の影響もあり、9月はまだ「夏」と考えて過ごすべきです。アーユルヴェーダでは、太陽の影響を受ける暑い夏は、ピッタ(火のエネルギー)が増えると考えられています。暑さで体力が消耗し、1年で1番消化力が落ちる時期。さらに、マスクが身体に熱をこもらせ熱中症を引き起こす人も増えています。この夏は、いつも以上に注意して過ごさなければなりませんよ。

身体の熱が増え、ピッタ(火のエネルギー)が悪化するとどうなりますか?

真理さん:秋になりピッタがあふれ出すと、湿疹や皮膚のトラブル、頭痛、イライラ、口内炎、下痢・・・など様々な不調を引き起こします。そうならないように、今のうちから、上手く身体の中の余分な熱を取り除く必要があります。

熱を取り除くというのは、冷たいものを摂るということですか?

真理さん:それは、やめてください。冷たいものを摂ると、消化の火を消してしまいます(消化力を弱らせる)。物理的に冷たいものではなく、冷たい性質を持ったものを摂ることが重要だと、アーユルヴェーダでは考えます。

例えば、夏野菜。今回は、冬瓜、にがうり、きゅうり、青じそ、れんこんなどを使った料理をご紹介します。この野菜は、身体の余分な熱を取り除き滋養効果をもたらします。また、料理にギーや砂糖を少し使ったり、甘い果物を少しいただくのも、クールダウンには効果的です。※黒砂糖は熱い性質なので、夏には避けてください。

 

旬の野菜を食べることも大切なんですね。その他に、アーユルヴェーダでおすすめのアイテムなどはありますか?

 

真理さん:はい、コリアンダー水がおすすめです。作り方も簡単、1リットルのお水に大さじ1杯のコリアンダーシードを一晩浸けて置くだけ。冷蔵庫では冷やさず常温で飲みましょう。

その他、氷砂糖も良いですね。私は、ピッタ体質が強くとても暑がりなので、外出時には必ず氷砂糖を持ち歩いています。熱がこもって来るとズキンズキンと頭痛がはじまるので、氷砂糖を口の中に入れ、舐め終わる頃には、頭痛が引いているのです。

それと、ローズウォーター。顔や体にスプレーするとクールダウンできるので、これも手放せません。

さっそく、真似してみます。その他に、暮らし方の工夫ってどういうことでしょうか?

真理さん:そうですね、やはり太陽の熱はエネルギーを奪うので、激しい運動は避け、朝晩の涼しい時間にうっすら汗をかく程度の運動に抑える。水泳なども良いですね。あとは月の光を浴びたり、良い香りをかぐこと。心地よい音楽で、心を落ち着かせることなどもピッタを鎮静させます。

わかりました。これから、秋に向けて快適に過ごせるように、食事や暮らし方に気を付けて過ごしてみます。

 

冬瓜のココナッツミルク ダルカレー

冬瓜とムング豆(緑豆皮なしのひき割り)の辛さ控えめのダールカレーです。

材料 (4人分)

・冬瓜 500g ・・・1cm 角に切る
・ムング豆 ※1カップ・・・ 洗っておく
・水 700cc
・ターメリック  小さじ1/3
・塩 小さじ1

<フォドニ>
・オイル 大さじ1
・マスタードシード 小さじ1/2
・ヒーング 少々
・生姜 1片 ・・・ みじん切り
・鷹の爪 1本

★カイエンペッパー 小さじ1/4
★塩 小さじ1/2
★砂糖 小さじ2/3
(★を混ぜ合わせておく)

ココナッツミルク 大さじ2
※ ムング豆 = 緑豆皮なしひき割り

作り方

① 鍋に、冬瓜、ムング豆、水、ターメリック、塩を入れ火にかけます。沸騰したら弱火にし、ムング豆が指で潰れるくらいまで煮る。(水が少なくなってきたら足し、好みの濃度に。)

 

② フライパンにオイルを熱し、フォドニをしたら①に加える。

<フォドニとは>
インド料理でよく用いられるテクニックで、温めたオイルにスパイスを加えてパチパチとはじけさせ、香りと薬効を引き出すことです。テンパリング、タルカとも言います。スパイスが焦げないよう、慣れないうちは弱火で行うと良いです。

 

③ 続いて★ のスパイスを入れ 味を調えたら、ココナッツミルクを加え混ぜ合わせる。

クミンライス

熱したオイルでクミンの香りと薬効を引き出してから、いつものようにご飯を炊くだけ。スパイシーな香りは、食欲をそそります。

材料(2人分)

・バスマティライス 1合
・日本米 1合
・水 2合半のメモリまで

<フォドニ>
・オイル 小さじ1
・クミンシード 小さじ1/2
・塩 小さじ1/2
※今回撮影のクミンライスは、腐敗防止・殺菌効果のため、ターメリック小さじ1/3 をフォドニに加えています。

作り方

① 米をといで炊飯器に入れ、水を入れる。

② フライパンにオイルを熱し、フォドニをしたら、①に入れる。

③ ②に塩を加えかき混ぜて炊く。

れんこんのギー炒め

ギーとスパイス、しょう油の組み合わせが、れんこんと良く合います。お箸が止まりません。

材料(2人分)

・れんこん200g・・・5cm長さ1cm角の拍子切り
・ギー 大さじ1
・みりん 小さじ2
・しょう油 小さじ1弱
・オーガニックタンドリーチキン(シーズニングスパイス) 小さじ1と1/2
・ブラックペッパー 適量

作り方

① フライパンにギーを熱して、れんこんを炒める。

② れんこんが透き通ってきたら、みりん、しょう油、シーズニングスパイスを順番に入れ、汁気を少し残した状態まで炒める。

③最後にブラックペッパーを加え、混ぜ合わせて出来上がり。

スパイス香るみょうがのピクルス

レモン果汁とオリーブオイル、スパイスが入ったピクルス。

材料

・みょうが3本 ・・・ 縦1/4に切る

☆レモン汁 大さじ1
☆オリーブオイル 大さじ2
☆塩 小さじ1/3
☆ブラックペッパー 小さじ1/3
(☆を合わせておく)

★ブラックペッパーホール 小さじ1/2
★ベイリーフ 1枚
★鷹の爪 1本
★コリアンダーホール 小さじ1/2

作り方

① 合わせておいた☆のレモン汁、オリーブオイル、塩、ブラックペッパーをビニール袋に入れる。

② フライパンで ★ を乾煎りし、綿棒などでつぶしたら、①に加える。

③ ②へみょうがを入れて空気を抜き、1時間程漬ける。
※漬ける時間の調整は、お好みでどうぞ

きゅうりと青じそのサラダ

青唐辛子の辛味と砂糖の甘味がバランスよく絡み合った、さわやかな一品です。

材料 (2人分)

・きゅうり 1本 ・・・ 5mm の輪切り
・青じそ 3枚 ・・・ 縦半分に切り、太目の千切り
・青唐辛子 1/2本 ・・・ 薄い小口切り
・レモン汁 大さじ 1/2
・塩 小さじ1/2
・砂糖 小さじ1/2
・パクチー 適量 ・・・ ザク切り

作り方

①材料をボールに全て入れ和える。

② 塩で味を調え、お好みで香菜を混ぜ合わせたら出来上がり。

にがうりと梅びしおのサブジ

にがうりのスパイシーな惣菜。不思議と梅干の味が良く合います。

材料 (2人分)

・にがうり 1/2本 ・・・ 縦半分にして種を取り、5mm幅の半月に切る
・ターメリック 小さじ1/3
・塩 小さじ1/3

フォドニ
・オイル 大さじ1
・マスタードシード 小さじ1/3
・ヒーング 少々
・カレーリーフ 10枚 (無くてもいい)

★オーガニックタンドリーフィッシュ(シーズニングスパイス) 小さじ1/2(タンドリーフィッシュ)
★梅びしお(チューブ) 10cm
★水30cc

砂糖 小さじ1/2

カレーリーフ

南インド料理には欠かせない食材です。カレーリーフ自体には味はなく、料理の香り付けのために使います。和名は南洋山椒、乾燥よりも生葉がおすすめです。マンションのベランダで育てておくと、いつでもお料理に使えてとても便利。冬場は葉を落とすので、生のまま冷凍して使います。食欲増進、解熱などの効果があります。

作り方

① にがうり、ターメリック、塩をビニール袋に入れ、揉みながらよく混ぜ、15分おいたら、袋ごと水気を絞っておく。

② フライパンにオイルを熱しフォドニをしたら、① を加えて炒め、★ を入れて混ぜ合わせたら、蓋をして弱火にし、5分蒸し煮にする。

③ 途中、 ② に砂糖を加えて混ぜ合わせ、ゴーヤが柔らかくなったら出来上がり。

 

 

お弁当ではなく、自宅で食べるときは、1皿に盛りつけてお惣菜を混ぜながら食べるとインド料理風になります。

アーユルヴェーダ 果物の食べ方

秋は、ぶどう、梨、柿、りんごなど果物がたくさん出てくる時期。アーユルヴェーダでは果物をどのように食べるのでしょうか?

真理さん:アーユルヴェーダでは、果物は、食事とは別の時間に食べます。 理由は、果物と他の食事の消化スピードが異なるため、未消化物 (アーマ) が発生すると考えられるからです。

あと、食べ合わせや時間帯にも気を付けて下さい。牛乳とフルーツの組み合わせは禁忌ですし、 夜にフルーツを食べるのも NG です。
オススメの食べ方は、食間か夕方の時間帯に、岩塩やスパイスをかけて食べること。 消化を助ける働きと、果物の持つカパの作用を軽減させる目的があります。

今回は、梨とすももにブラックペッパーをかけて食べてみました。思ったよりも相性が良くて、クセになりそう。これからお弁当に果物を持っていくときは、15時や夕方の休憩時間に、ブラックペッパーをふりかけて食べるようにしてみます。

 

皆様の感想をお待ちしています

心を鎮めるスープジャーのお弁当、いかがでしたか?
皆さんもぜひ作ってみていただき、下記窓口までメールにて感想をお聞かせください。
作り方のコツなど、マリさんへのご質問もお待ちしています。

ビオ・マルシェの宅配
info.ebio@biomarche.jp

レシピ提供:「アンナプルナ食堂」主宰 原田 真理さん

広島県尾道市出身
インド政府公認アーユルヴェーダライフスタイルコンサルタント
キッチンスタジオ ペイズリー インストラクターコース 修了

ヨガ教師、ヨガインストラクターの勉強中に、アーユルヴェーダに出会う。
各地でアーユルヴェーダ料理教室や、ギーの講座を開催。

アンナプルナ食堂

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