はじめてのアーユルヴェーダ vol. 24「消化力、代謝力を...
2024.11.4
2018年から隔月で開催してきた料理教室「VEGE & SPICE TABLE マリさんのアーユルヴェーダ食堂」。
コロナウイルスの影響で開催できなくなってから、約3か月。緊急事態宣言が解除されましたが、感染予防対策をしながらの生活が続いています。
これまでの、料理教室の代わりに何かできないか、模索する日々です。
今回のパンデミックで世界はひっくり返りました。私たちの生活や価値観、この先の人生も大きく変えました。今はまだ不幸な事態かもしれませんが、前向きな気持ちで変化を起こす機会ととらえることもできると思います。
今後は、これまでとは違った新しいかたちで、みなさまとつながり続けることができれば幸いです。
コロナ禍の中で、不便に感じたことは何ですか?
イベントや料理教室、yoga教室やジムに通えなくなったこともそうですが、会社のランチタイムにお気に入りのレストランやケータリングを利用できなくなったことなどもその1つではないでしょうか?
コンビニの弁当や、手づくりでも冷凍のお弁当惣菜では美味しくないし・・。だったら、アーユルヴェーダの惣菜でお弁当を作ってみては?いまの私たちに必要なアーユルヴェーダのお弁当を作ろう!ということから、アーユルヴェーダのお弁当を提案することに、たどり着きました。
7月に入り、蒸し暑い日が続いています。毎日の通勤では、家から駅まで暑い中を歩き、冷房の効いた電車に乗り、駅から会社までは再び暑い中を歩く。会社へ着くと冷房が効き乾燥気味、休憩時間は外へ出て冷たい飲み物を口にしたり。仕事中も、一日中マスクを着けなければならず、暑さと息苦しさでとても疲れます。今年の夏は、どのように過ごせば良いでしょうか?
真理さん:アーユルヴェーダでは、夏~初秋にかけてピッタ(火のエネルギー)が最も高まる時期だと考えます。ピッタが増え過ぎると「暑さ」に関連する症状(口内炎、頭痛、下痢、イライラ、感染症)が起こりやすくなります。それと、更年期や生理中なども、ピッタが上がり、身体に熱がこもる傾向にあります。さらに、ここ数年は猛暑日が長く続き、その上マスクまで着用しなければならないので、身体の中にこもった余分な熱を、上手く取り除くよう常に意識する必要がありますね。
身体に熱がこもりっぱなしの状態・・。確かに、周りでもイライラしたり頭痛がするという人が増えている気がします。そうかと思えば、エアコンで足や足首が冷えるので、ひざ掛けを使っていたり。暑いのか寒いのか、よくわかりません。
真理さん:熱がこもった影響で経路が滞り、末端が冷えているのかもしれません。こういうとき、生の生姜をたくさん摂って温めようとするる方もいますが、生姜の性質は火のエネルギーを強くするので、また熱がこもり、経路が滞り…と悪循環に陥ります。大切なのは、まず体の中の余分な熱を、食べ物などを使い取ってあげることです。
他に気をつけることは何ですか?
真理さん:夏は、1年で1番消化力が落ちる時期です。暑いと欲しくなる冷たい飲食物は、ますます消化力を下げてしまうので、未消化物が作られ、不調の原因になります。
では、どんなものを食べたら良いですか?
真理さん:暑い時は、きゅうり、なす、オクラ、冬瓜、ズッキーニなどの夏野菜がおすすめです。「甘味」「苦味」「渋み」などの食品がピッタを下げてくれます。夏野菜には、身体にたまった余分な熱を取り除く効果があります。
逆に、辛い物、酸っぱい物、揚げ物、アルコールは要注意です。これらは「熱」を生んで、ピッタに関する症状に悩まされることになります。季節柄、冷たいビールに唐揚げなど欲しくなると思いますが、なるべく控えてくださいね。
なるほど。アルコールや冷たい飲み物は、汗をかいていると美味しく感じてしまいますが、気をつけないといけませんね。
真理さん:食べてはいけない!とは言いませんが、食べすぎは良くありませんね。何でもそうですが、「~過ぎ」はやめましょう。
この時期は、夏野菜などを使って身体の熱を逃がして、上手に夏を乗り越えてくださいね。それと、夏でも温かいスープやカレーを食べることも大事です。とくに、今のように不安やストレスが続くとヴァータ(風)のエネルギーが乱れがちになります。あたたかく美味しい食事を摂るように心がけてくださいね。
第1回目のテーマは「心を鎮める」お弁当です。
不安やストレスで、ヴァータ(風)のエネルギーが乱れがちになり、
暑さで、ピッタ(火)のエネルギーが増加します。
できたてで、温かく美味しい食事を摂ることは、身体と心を癒し、消化力が上がれば自然と免疫力も高まります。
そして、瓜系などの夏野菜で、体の中の余分な熱を取る事で、楽に過ごせるようになります。
ぜひ作ってみてください。
アーユルヴェーダの食事では「消化力」がキーワードです。何を食べるかよりも、食べたものが正しく消化されるかを重点的に考えます。消化力が伴わず、消化されなかったものは未消化物(アーマ)となり、病気を引き起こすと考えられているからです。
消化できたかどうかは、食事の時間にお腹が空いているかどうかで判断できます。お腹が空いている状態は、前の食事が消化されているということ。自分の体質や消化力に合わせて食事を摂るのが、アーユルヴェーダの考え方の基本です。
また、アーユルヴェーダ料理ではスパイスやハーブを使いますが、味にアクセントを加えるだけではなく、消化促進や食欲増進、消化不良改善などの効果があり、身体の調子を整える薬としての役割を担っています。
その他、六味(甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味)が揃っていること、自分の体質や季節に合わせること、新鮮で温かく愛情を込めて作られた食事を摂ること、幸せな気持ちで食事をすること(嫌いな人と一緒に食事をしない、怒りながら食べない)などを意識することで、正しく消化ができるようになります。
お弁当は、全6品。
そのうちの3品は、前日に作ります。きのこカレーとターメリックライスは夕ご飯にしたものを、翌朝に温めてジャーに入れます。きゅうりのアチャール(インドのお漬物)は半日~1日程漬けると味がしみ込み、ごはんに良く合います。
今回のメニューは、どれも短時間で作れるレシピばかりです。忙しくても、野菜をたっぷり使ったお弁当がサッと作れます。
インドの弁当箱:インドでは定番ののステンレス製容器は、洗いやすくとても便利。1段目にごはん、2段目に惣菜、カレーは温かくしてジャーに入れてはいかがでしょう?
マッシュルーム、ホワイトマッシュルーム、しめじの旨味が凝縮された、辛さ控え目のカレーです。
・マッシュルーム 150g~200g ・・・ ひと口大に切る
・しめじ 200g ・・・ 長さを半分にし、ほぐしておく
・オイル ・・・ 大さじ 3
・玉ねぎ 1個 ・・・ 2~3cm 長さの薄切り
・にんにく 1片 ・・・ すりおろし
・生姜 1片 ・・・ すりおろし
・トマト 1個 ・・・ ザク切り
・水 300cc
スパイスA
・ ローリエ 2枚
・ 鷹の爪 1本
・ クローブ 3粒
・ カルダモン 3粒
スパイスB
・ ターメリック 小さじ 1/2
・ カイエンペッパー 小さじ 1/3
・ブラックペッパー 小さじ 1/2
・ 塩 小さじ 1と1/2
① フライパンにオイルと、スパイスA(ローリエ2枚、鷹の爪1本、クローブ3粒)を入れ、 弱火で5分あたため、じっくり香りを出し、スパイスを取り出す。
クローブを加熱すると、実が膨らみ破裂することがあるので、やけどに気を付けてください。
② ①に、玉ねぎを加え強火にし、しんなりしたら、ニンニク、生姜を入れ、玉ねぎが色付くまで炒める。
③ ②に、スパイスB(ターメリック 小さじ1/2、カイエンペッパー 小さじ1/3、ブラックペッパー 小さじ 1/2、 塩 小さじ1と1/2)を入れ、1~2分炒めたら、トマトを加え、半分煮崩れてきたら、マッシュルーム、しめじを入れて混ぜ合わせる。
④ 水を加え、沸騰したら弱火にし、蓋をして10分煮る。
⑤ 塩味をみて、味を調える。
カレーを作るときは、フライパンを使うと火の通りが早く20~30分ほどで出来上がります。
ターメリックは辛味・苦味・/乾性/温性のスパイスで、抗菌作用、解毒作用があります。材料をお米と一緒に炊くだけで美味しく鮮やかなご飯になります。
米 2合
水 目盛り分
★ターメリック 小さじ 1/3
★カイエンペッパー ひとつまみ
★黒粒こしょう 15粒
★シナモン 5 cm
★ベイリーフ 1枚
★オイル 小さじ 1
①米をといで炊飯器に入れ、目盛りまで水を入れる。
②①に、★を入れ軽く混ぜ、炊く。
シーズニングスパイスを使いなすを焼くだけの簡単なお惣菜です。味を濃くするとおつまみにもなります。
なす 1本 ・・・ 1cm の輪切り
オイル 適量
オーガニックタンドリーフィッシュ(シーズニングスパイス)小さじ 1
※オーガニックココナッツ炒め
原材料:有機ココナッツ、有機ココナッツミルクパウダー、食塩、有機クミン、有機ブラックマスタードシード、有機ジンジャー、有機ターメリック、有機唐辛子、有機ガーリック)
① ビニール袋に、なすとスパイス(シーズニング)を入れて振り、まんべんなくスパイスをまぶす。
② フライパンでオイルを熱し、なすをの両面を弱火で焼き、中に火が通り、美味しそうに色付いたら出来上がり。
ここでは、シーズニングスパイスにターメリックとマスタードシードをプラスしました。ししとうの辛味が美味しく、お弁当のアクセントになります。
ししとう 1袋 ・・ 縦半分 に切る
★オイル 大さじ 2
★マスタードシード 小さじ 1/3
★ターメリック ひとつまみ
★オーガニックココナッツ炒め(シーズニングスパイス) 小さじ 2/3
①フライパンにオイルを熱したら弱火にし、★印の順番でフォドニする。
②ししとうを加え、火が通ったら出来上がり。
<フォドニとは>
インド料理でよく用いられるテクニックで、温めたオイルにスパイスを加えてパチパチとはじけさせ、香りと薬効を引き出すことです。テンパリング、タルカとも言います。スパイスが焦げないよう、慣れないうちは弱火で行うと良いです。
レモンの酸味が爽やかな、サラダのような惣菜です。料理教室でも人気の料理です。パクチーが苦手な方は、入れなくても大丈夫。
ズッキーニ 1/2本 ・・・ 縦半分量を、3mm幅の半月切りにする
赤玉ねぎ 1/4個 ・・・ 2~3cm 長さの薄切りにし、空気にさらす
★ レモン汁 大さじ 1
★ オリーブオイル 大さじ 1
★ カイエンペッパー ひとつまみ
★ ブラックペッパー ひとつまみ
★ 塩 小さじ 1/3
パクチー 適量 ・・・ ザク切り
赤玉ねぎは、空気にさらして辛味を抜きます。
① ボウルに★印の材料を入れて混ぜる。
②野菜を入れて和える。
③ 塩で味を調え、お好みでパクチーを混ぜ合わせたら出来上がり。
アチャールはインド風漬物のことで、ご飯にのせて食べます。ブラックペッパーとマスタードシード、塩気の効いたしっかりした味付けのお惣菜です。
きゅうり 200g ・・・ 乱切り
オイル 100cc
マスタードシード 小さじ1 ・・・ クラッシュする
★ブラックペッパーホール 3g ・・・ クラッシュする
★生姜 2片 ・・・ すりおろし
★カイエンペッパー 小さじ 1/3
★ターメリック 小さじ 1/2
★ヒーング 少々
★塩 大さじ 1
①フライパンにオイルを熱したら弱火にし、クラッシュしたマスタードシードを入れて、パチパチ音がして弾けてきたら、★印のスパイスを加える。
スパイスクラッシャーがない場合は、ビニール袋にマスタードシードを入れ、綿棒などで軽くたたいてください。
②生姜に火が通ったら、火を止めて粗熱を取る。
③粗熱が取れたらレモン汁を加え、きゅうりと混ぜ合わせ、保存容器に入れたら、冷蔵庫の入れ一晩置く。(1週間保存可能)
広島県尾道市出身
インド政府公認アーユルヴェーダライフスタイルコンサルタント
キッチンスタジオ ペイズリー インストラクターコース 修了
ヨガ教師、ヨガインストラクターの勉強中に、アーユルヴェーダに出会う。
各地でアーユルヴェーダ料理教室や、ギーの講座を開催。
ビオ・マルシェでは、ご入会前の方に、有機野菜の「お試しセット」をご用意しています。ぜひ、自分の目で見て触って、有機野菜を料理をしてみませんか? ▶お試しセットを申し込む