年末年始のごちそうをお手軽に、ビオ・マルシェの年末・2025...
2024.11.1
パスチャライズ牛乳とは、生乳の自然な風味・性質、そして栄養を生かす温度で殺菌(パスチャライゼーション)した牛乳のことです。
牧場で搾乳した生乳は、加熱殺菌され「牛乳」として、私たちの手元に届きます。
加熱殺菌の方法には、いくつかの種類があります。
そのひとつが「超高温殺菌法」。120~150℃の高温で、1~3秒間という短時間で殺菌する方法です。現在、日本国内でもっとも普及している殺菌方法で、約9割を占めています。超高温殺菌法のメリットは、高温かつ短時間で殺菌できるため、生産効率に優れていること。一方、デメリットとして、有用な細菌や微生物を死滅させるとともに、自然な風味を損ない、タンパク質の熱変性を引き起こすとも言われています。
それに対して、「超高温殺菌」よりも低温で加熱殺菌する方法が「パスチャライゼーション」です。
国際酪農連盟(IDF)の定義では、63℃ 30分間(バッチ式 ※1)・65℃ 30分間(連続式 ※2)・72℃ 15秒間の3通りの殺菌方法が「パスチャライゼーション」とされています。超高温殺菌と比べて低い温度で加熱するので、なるべく生乳の風味を損なわずに有用な菌は残すことができます。加熱による焦げ臭はなく、タンパク質が熱変性していないので、胃の中でしっかりと固まり、消化にやさしいのも特徴です。
※1バッチ式とは、生乳をタンク内で撹拌しながら一定の温度を保持して殺菌する方法です。
※2連続式とは、生乳が加熱されたプレート間を通過することで一定の温度を保持して殺菌する方法です。
食品衛生法上、原料乳(牛から搾ったままのもの)の生菌数は400万/ml以下、牛乳(製品として販売されるもの)の生菌数は5万/ml以下とされています。しかし、原料乳の鮮度が悪かったり生菌数が多すぎたりすると、パスチャライズ牛乳の殺菌温度では殺菌できません。そのため、鮮度が良く生菌数の少ない、良質な原料乳のみが使われます。
ノンホモ牛乳とは、ホモジナイズ(生乳に含まれる脂肪球を小さくする工程)をしていない、より生乳に近い風味が楽しめる牛乳です。
「ホモジナイズ」とは、牛乳に圧力をかけて、生乳に含まれる脂肪球を砕いて小さく均質化することです。均質化することで乳脂肪の分離を防ぎ、飲み始めから終わりまで安定した味が楽しめます。
一方、ホモジナイズをしていないことをノンホモジナイズ(ノンホモ)と言います。脂肪球を均質化していないので、置いておくと上部に脂肪分が浮き、クリームラインと呼ばれる天然の生クリームの層ができます。容器を振るとクリームは牛乳に分散するので、やさしく振ると問題なく飲んでいただけます。
冷蔵庫で賞味期限当日(手元に届いて6日目)まで振らずに置いてみたところ、厚みのあるクリームラインができました。
スプーンですくってみると、生クリームがたっぷり。
天然のクリームの味わいを楽しむ他に、ノンホモ牛乳はバター作りも出来ます。瓶に入れて、15分振り続けるとバターができます。
現在、ビオ・マルシェの宅配で購入できるパスチャライズ牛乳は4種類あります。木次乳業(島根県)が製造する、ノンホモ牛乳(ビオ・マルシェ オリジナル)、日登牧場の山地酪農牛乳(ブラウン・スイス牛乳は規格違いの同一商品)。そして、飛騨酪農農業協同組合(岐阜県)が製造するパスチャライズ飛騨牛乳、北アルプス厳選牛乳(瓶)です。
ビオ・マルシェで購入できるパスチャライズ牛乳は、海外飼料も自給飼料も含めて100%NON-GMO(非遺伝子組み換え)の飼料で育てられた牛の生乳だけを使っています。
木次乳業は、日本で初めてパスチャライズ牛乳に取り組んだ乳業メーカーです。
パスチャライズ牛乳に取り組んだのは、昔から牛乳を飲んできたヨーロッパでは、パスチャライズ牛乳が主流とされる中、日本の牛乳は高温処理で大量生産されていたことに疑問を感じたからです。酪農の先進地、北欧のように、できるだけ生に近い牛乳を提供したい、という想いから1975年にパスチャライズ牛乳に取り組み始めます。約3年かけて毎日飲み続けて安全性を確かめ、酪農家には飼料から乳搾りの仕方、牛舎の管理法まで徹底し、細菌数を細かく調べて乳質向上を求めました。そして、1978年に日本で初めてパスチャライズ牛乳の販売を開始しました。
木次乳業では耕作放棄地を利用し、牧草を作るなど餌の自給にも取り組んでいます。ただ、全ての餌をカバーするのは難しく、海外飼料に頼らざるを得ない部分があります。海外飼料の大半に遺伝子組み換え作物(GMO)が含まれる、そんな厳しい飼料状況の中、木次乳業オリジナル商品(日登牧場の山地酪農牛乳・ブラウンスイス牛乳)に加え、ビオ・マルシェ オリジナル牛乳(ノンホモ牛乳)にも、NON-GMO(非遺伝子組み換え)の餌で育った牛のミルクを特別に使っていただいています。
食品衛生法上、原料乳の生菌数は400万/ml以下ですが、木次乳業では、生産者から集める原料乳の生菌数は1万/ml以下を目標値にしています。
木次乳業には、ホルスタイン種とブラウンスイス種の2種類の牛がいます。ホルスタイン種は白と黒の柄が特徴で、世界で最も多く飼育されている牛です。一方、ブラウンスイス種は日本ではまだ希少なスイス原産の山岳牛です。ブラウンスイス種を日本で初めて農林水産省から乳牛として認めてもらったのも木次乳業です。木次乳業では、山地を切り開いて作る牧場ではなく、山地の多い日本にふさわしい酪農を考えて、足腰が強く山地放牧に適していることからブラウンスイス種の飼育にも力を入れてきました。ブラウンスイス種は、ホルスタインより乳量は少ないですが、乳質が優れていて濃厚な味わいが特徴です。
木次乳業では、ホルスタイン種には、できるだけ牧草などの粗飼料を与えています。粗飼料は季節に合わせて、栄養バランスを考えながら、生草と乾草の割合を調整しています。お乳を出すようになると、エネルギーを必要とするようになるので、たんぱく質補給を目的として、穀物を主体とした濃厚飼料の量を増やします。
一方、ブラウンスイス種は、山地放牧で育てています。小さいときから外の環境に慣れさせて自由に動き回れるようにしており、出産から約半年で自由に山地に上がれるようにしています。飼料は、青草がある時期は青草をメインに食べ、ない時期は乾草を与えています。濃厚飼料を与えることもありますが、ホルスタイン種よりも量は少ないです。
飛騨酪農農業協同組合の牛乳は、岐阜県の飛騨地方の酪農家が搾った100%飛騨産です。牛たちは、北アルプスの雄大な山々に囲まれた牧場で、新鮮な空気・清涼な水に恵まれた自然環境のもと、良質な飼料を食べて育ちます。酪農家達は、自らがプラント(乳業工場)を持っており、生乳生産・加工・販売まで一貫体制で取り組んでいます。生乳から商品になるまでの時間がスピーディーなので、高品質な牛乳づくりが実現できます。飛騨酪農農業協同組合の牛乳は、すべて65℃30分間の低温殺菌牛乳です。
牛乳特有の風味を感じないので、牛乳が苦手な方にもおすすめです。飲みやすいのに甘みたっぷり。
あっさりとしつつもミルクの甘みを感じます。
パスチャライズ飛騨の瓶入りタイプです。瓶はにおい移りがないので、より自然な風味が味わえます。
商品名・パッケージは異なりますが、同一商品の規格違いです。ブラウンスイス牛ならではの、濃厚かつコクが感じられる味わいです。
さらりとした飲み口です。瓶入りなのでにおい移りがなく、より自然な風味が味わえます。