はじめてのアーユルヴェーダ vol. 24「消化力、代謝力を...
2024.11.4
2021年8月24日(火)、オンライン講座「VEGE & SPICE TABLE はじめてのアーユルヴェーダ~基本のスパイス7種類を使った有機野菜のお惣菜」第5回目を開催しました。
今回のテーマは「夏の上手な過ごし方」です。
近年の夏は、朝晩も気温が下がらず、暑さが長引く傾向にあります。猛暑日が続くことで食欲不振になり、体力が落ちて夏バテになります。アーユルヴェーダでは、夏はピッタ(火のエネルギー)が乱れやすい時期と考えます。身体の中に暑さがこもりっぱなしになると、口内炎、湿疹、頭痛、下痢、イライラなどの症状を引き起こします。今回の講座では、夏の時期にピッタを悪化させない工夫についてお話しました。
この時期は、消化しやすい食事を意識することが大切です。夏バテを防止するためにスタミナのつく重たい食事をしてしまいがちですが、消化しきれずに未消化物(アーマ)として体の中に残ります。脂っこい物、揚げ物などの消化に重たいものは良くありません。特に消化力の弱まる夜の食事は軽く済ませるのが良いでしょう。
夏はどうしてもピッタが過剰になりがちですが、冷たい性質のものを摂り、良い香りを嗅いでリラックスすることを心がけてください。外で活動する際はローズウォーターを小さな霧吹きに入れ、持ち歩くことをおすすめします。頭や首に軽く吹きかけることで火照った身体を鎮静させてくれます。また、暑さに加えて空腹時はさらにピッタが悪化します。砂糖の甘味はピッタを抑制する効果があります。氷砂糖を持ち歩いて空腹時や頭痛の予感がした時に、口に含むと自然とイライラがおさまります。
食材では、水分の多いウリ科の野菜を積極的にとり入れます。きゅうり、ズッキーニ、なすなどの野菜は、身体の中の余分な熱を取ってくれます。また、牛乳もクールダウンに有効です。
アーユルヴェーダでは、目はピッタの性質と深い関わりを持つ部位と考えます。なので絶対に温めてはいけません。ピッタが増長すると、眼精疲労を引き起こします。疲れ目の改善には、ギーのアイマスクが有効です。ギーとは、無塩バターを火にかけ、たんぱく質と水分を抜いたものです。インドでは有益なオイルとして、食事以外に治療にも使われます。作り方はとても簡単です。ギーが固まっていたら溶かして液体にします。余熱が取れたギーをコットンに浸し、目の上に置いてください。ギーは余分な熱をとってくれるので、夏には特に有効なアイマスクです。
この講座では、基本のスパイス7種類をベースにした有機野菜のお惣菜をご紹介しています。
基本のスパイス7種類は、クミン(シード、パウダー)、マスターシード、ターメリック、カイエンパウダー、ブラックペッパー、コリアンダー(シード、パウダー)、ガラムマサラです。これを選んだ理由は、手に入れやすいということ。
クミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンパウダーの4種類だけでも基本のカレーが作れます。その他の3種類のスパイスがあると、料理のレパートリーがぐんと広がります。今回はその中から、コリアンダーをピックアップしました。
消化促進、解毒作用、駆風作用、血液浄化、利尿作用、抗炎症作用などの薬効があります。
スパイスには、熱い性質のものが多くピッタを上げてしまうのですが、コリアンダーはピッタを鎮静してくれる上に、消化力も上げてくれる特性があります。
ピッタが悪化すると、怒りっぽくなったり、体に炎症が起こったりなどの不調となって身体に現れます。そんな時は水出しスパイスティーを飲みましょう。1リットルの水に、大さじ2杯程度のコリアンダーシードをいれて水出しします。コリアンダーには体の中の余分な熱を外に逃がしてくれる効果があります。夏の熱中症対策として麦茶の代わりに常備したいです。
葉と種では、味も香りも違いますが、葉(パクチー)はハーブ、種はスパイスとして利用します。ソテーやシチュー、ソーセージやカレーにも欠かせないスパイスです。炎症がおこった際はフレッシュなパクチーを食べていただいても効果が期待できます。しかし、葉より液体の方が消化吸収が早いので、薬効を期待する場合はスパイスや液体で取り入れてみてください。
有機野菜を使ったメニュー3品、「ココナッツミルクのダル」「なすとズッキーニのスパイス焼き」「きゅうりと紫玉ねぎのサラダ」と「レモンライス」を作りました。その中から、「レモンライス」のレシピをご紹介します。
レモンの酸味がクセになる、さわやかなご飯です。バスマティライスは日本米よりも水分が少なく、消化にも軽いので夏にはもってこいのレシピです。
バスマティライス 2合 ・・・ 水は3合のメモリまでいれます
オイル 大さじ1強
マスタードシード 小さじ1/3
ヒーング 少々
チャナダル 大さじ1/2
鷹の爪 1本
生姜 1/2片 ・・・ 細かいみじん切り
ターメリック 小さじ1/4
カレーリーフ 10枚
レモン汁 20cc
塩 小さじ1/2
① バスマティライスは水を1合分増やした状態で炊いておく。
② フライパンにオイルを熱し、マスタードシードから順にフォドニする。
③ 生姜に火が通ったら、レモン汁、塩を加え、混ぜ合わせ、そこにバスマティライスを入れて、お米をつぶさないように混ぜ合わせる。(※レモン汁をフライパンに入れた際にむせることがあるので、蓋をすることをおすすめします)
フォドニとは
インド料理でよく用いられるテクニックで、温めたオイルにスパイスを加えてパチパチとはじけさせ、香りと薬効を引き出すことです。テンパリング、タルカとも言います。スパイスが焦げないよう、慣れない場合は弱火で行うと良い。
・今日もとてもおいしそうなお料理で、途中お腹が鳴ってしまいそうでした。夕飯に早速作ってみます。特にレモンライスが楽しみです。ありがとうございました。
・本日も観て聴いて考えて、貴重な講座をありがとうございました。大満足なひと時となりました。お料理も盛り付けも大変素晴らしく参考になり、早速つくりたいと思っています。
これまでの料理教室の様子やレシピをウェブサイトで公開しています。
ぜひ、ご覧ください。
アーユルヴェーダとは・・・
サンスクリット語のAyus (生命)、Veda(科学・知識)が語源。インド・スリランカで5,000年以上の歴史を持つ、世界最古の伝統医学です。その知恵は、毎日の生活や食事法として受け継がれています。最近は「より良く生きるためのヒント」として、世界中で注目を集めています。
次回は2021年10月12日(火)を予定しています。
皆様のご参加、お待ちしております。