和歌山県有田郡の平飼い養鶏場「蒼生舎」を訪問してきました
2024.11.19
ビオ・マルシェの生産者「吾妻旬菜」(あづましゅんさい)は、長崎県島原半島の吾妻町で有機ブロッコリーや有機玉ねぎなど季節に応じて様々な有機野菜を栽培している産地です。今回は吾妻旬菜で有機ブロッコリーを栽培する中村さんにお話を伺い、秋から冬にかけて有機ブロッコリーの生長する様子を紹介します。
日没も日に日に早くなり、秋の陽気となって参りました。
今回は、植え付け、畝を割る、肥料を与える様子をお届けします。
セルトレイの苗は根がしっかり生長し、広い土壌に根を張る日を心待ちにしているよう。葉も大きく育ち、太陽の光を吸収する準備万端です。
植え付けを行う畑は肥料を与え、耕運機で耕し、苗のベッドとなるふかふかの畝を立てています。
この時期に畑に与える肥料が「菜種油粕」。
菜種油の搾りかすで、肥料の3大要素と言われる「窒素・リン酸・カリウム」をバランスよく豊富に含んでいます。一般的な慣行栽培で使用される化学性の肥料と違い、畑に与えると微生物の働きでゆっくり分解されて栄養となり、作物の生長を促進します。
植え付けが完了しました。ここからさらに葉が大きくなるまで育てます。
葉が大きく育ったところで行うのが、中村さんこだわりの「畝を割る」作業。
1つの畝で2列栽培していた苗を、管理機と呼ばれる小型の耕運機で1畝1列にしていきます。これには、3つの利点があります。
一般的な慣行栽培では、雑草対策として植え付け前の段階で畝に除草剤を散布することがあります。これに対して、有機栽培を行う吾妻旬菜では、「畝を割る」ことで、除草剤を使わない雑草対策をしています。
雨が降り、日が照り乾燥することを繰り返すと、土は次第に固くなり、自由に根を張れなくなります。「畝を割る」ことでこれを防ぎ、根をすくすく伸ばすことのできる環境を作っています。
ブロッコリーは生長が進むと葉が大きく育ち、周りの土の表面を覆ってしまうほどになります。そうなると、土が大きな葉に阻まれて水分を蒸散できなくなり、水分過多に陥って根が腐ってしまうことがあります。これを予防するために、「畝を割り」、土が水分を蒸散しやすい環境を作ります。
肥料を与えています。この時に与えている肥料は「魚粉」です。
菜種油粕に比べて窒素とリン酸を多く含んでいます。さらに、水溶性なので微生物に分解されるスピードが速く、畑に蒔いてから根に吸収されるまでの時間が短いというメリットもあります。
再度管理機を使って耕し、肥料を土に混ぜ込んでゆきます。吾妻旬菜のブロッコリーは、作物自身のうま味を引き出すために肥料を極力抑えて栽培しています。ただ、肥料を抑えると茎が細く育つため、強風が吹くと飛ばされる危険性があります。それを防ぐために、管理機で耕す際に苗の周りの土を寄せています。そうすることで根が縦に伸びて、地面にしっかりと根が張った強いブロッコリーになります。