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コーヒーゼリー桃のワインコンポート添え

あわただしい日常から、ちょっとだけ解放された日曜日の昼下がり。淡い光が差し込むキッチンで、そっと果物に手を伸ばす_______豊かな香りを胸いっぱいに吸い込みながら、季節を感じるヴィーガン・スイーツを作ってみませんか?

コーヒーゼリー桃のワインコンポート添え(ヴィーガン・グルテンフリー)

「コーヒーゼリー 桃のワインコンポート添え」は、コーヒーと豆乳クリームを重ねた寒天ゼリーに、赤ワインに漬けた桃のコンポートを添えたちょっと贅沢なデザート。 旬を迎えた桃のとろけるような果肉と、赤ワインの豊潤な香りが楽しめます。 ほどよい苦みを効かせたコーヒーに合わせるクリームは、豆乳と甜菜糖でやさしい甘さに仕上げました。

 

今回のテーマは、桃。

桃は、梅雨が明け、いよいよ夏本番という時期になると店頭に並ぶ、夏を代表するフルーツのひとつです。
その甘い香りと、みずみずしい果肉が、酷暑続きの夏の日の喉を潤してくれます。

普段、何気なく食べている桃ですが、その歴史はとても古く、日本では「古事記」に、中国では「西遊記」にその名前が登場しています。みなさんも、”桃から生まれた桃太郎”のフレーズで馴染み深い「桃太郎伝説」など、桃にまつわる伝説や逸話を、たくさん聞いたことがあるのではないでしょうか。

桃にまつわるお話しで共通しているのが「厄除け」の効果があるということ。桃太郎が鬼(厄)を退治したのはよく知られていますが、国生みの神イザナギノミコトは、桃を、追ってくる敵に目がけて「えいっ!」と投げつけて退散させたのだとか……。また、中国では「仙木(仙人に力を与える木)、仙果(仙人の食べる果物)」とも呼ばれていて、邪気を払い、不老長寿を与える果物として崇められています。現在でも中国の結婚式では、桃の形をしたお饅頭を食べて邪気払いをする風習があるそうです。

甘い香りと、とろける様なみずみずしい果肉、艶々としたうぶ毛に覆われた丸みを帯びたフォルムは、とても繊細で儚げな印象なのに、邪気を追い払うパワーが宿っているなんて……。とても興味深いフルーツですよね。

全体の流れ

直径6cmのクグロフ型4個分

所要時間

約1〜2時間(桃をワインに漬け込む時間、冷やし固める時間は除く)

1.桃のワインコンポート をつくる

桃をワインと甜菜糖を合わせたシロップに漬け込み、コンポートをつくります。

2.豆乳クリームゼリーをつくる

豆乳練乳クリームをつくり、寒天液を加えてゼリーをつくります。

3.コーヒーゼリーをつくる

インスタントコーヒーを寒天液で固めて、コーヒーゼリーをつくります。

1.桃のワインコンポートをつくる

材料

つくりやすい分量

・桃 4個
・赤ワイン 750cc
・甜菜糖 200g

下準備

□桃をうぶ毛を優しくこするようにして洗います。適当な大きさのくし切りにカットし、皮をむきます。

今回は全体にワインの色味をつけたかったので、桃の皮を剥いてからシロップに漬け込みました。完熟している桃は果肉が柔らかく、皮が剥きづらいですが、桃の割れ目に包丁を入れてぐるりと一周したら、両手でねじるように回すと、片側からタネが外れて2等分されます。あとは適当な大きさにくし切りし、手または包丁で皮を剥いていきます。

作り方

大きめの鍋にワインと甜菜糖を入れて火にかけます。よくかき混ぜて甜菜糖を溶かします。一煮立ちしたら火を止め、粗熱が取れるまで冷まします。

カットした桃を入れ、2時間くらい経ったら桃を裏返し、まんべんなく浸かるようにします。ボウルや保存容器に詰め替えて、冷蔵庫で一晩漬け込みます(鍋のままでもOKです)。

漬け込んだシロップ液は、サングリアや、炭酸と合わせて飲むのもおすすめです。

2.豆乳クリームゼリーをつくる

2-1 豆乳練乳をつくる

材料

・豆乳 1カップ(200cc)
・甜菜糖 50g
・バニラエクストラクト 小さじ1/2

前回の「有機マンゴーのソルベとブルーベリーヨーグルトのトライフル」でも登場した豆乳練乳です。多めに作ったら、フルーツにかけたり、ヴィーガンバターに混ぜてトーストしたり、色々と楽しめます。

作り方

小鍋に豆乳と甜菜糖を入れて火にかけます。フツフツと沸騰し始めたら弱火にし、かき混ぜながら半分の量になるまで煮詰めます。

出来上がったら瓶などに入れて冷蔵庫で保存し、1週間から10日を目安に使い切りましょう。

2-2 豆乳クリームゼリーをつくる

材料

・豆乳練乳 100cc
・棒寒天 2g
・水 50cc

下準備

□棒寒天を水につけてふやかします(30分くらい)。

作り方

小鍋に水を切って、ちぎった寒天と水を入れて火にかけ、泡立て器でよく混ぜて寒天を溶かします。

沸騰してきたら豆乳クリームを入れて2分ほどかき混ぜ続けながら混ぜます。

寒天が完全に溶けたら火を止め、濾し器やざるで濾します。

型に流し入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて固めます。

3.コーヒーゼリーをつくる

材料

・インスタントコーヒー 200cc
・棒寒天 3.5g
・アガベシロップ 大さじ2
・カルダモン(オプション)2、3粒

下準備

□棒寒天を水に浸けふやかしておきます(30分ほど)。

□インスタントコーヒーをつくり、カルダモンを入れて香りを移します。

カルダモンは、レモンのような爽やかな香りが特徴のスパイス。栽培や収穫が難しいことから貴重なスパイスとされていて、中東では、高価なカルダモンの香りをつけた「カルダモンコーヒー」でゲストをもてなす習慣があるそうです。また、カルダモンは消化を助ける働きもあるので、食後のデザートにもぴったりなスパイスです。

インスタントコーヒーは、お湯200ccに対して大さじ2、アガベシロップ大さじ2くらいの濃さ、甘さにしています。お好みで調整してください。

作り方

小鍋につくっておいたインスタントコーヒー(カルダモンは取り出します)と、水を切り、よく絞ってちぎった寒天を入れて火にかけます。泡立て器でかき混ぜながら煮立たせ、寒天を完全に溶かします。

粗熱が冷めたら、冷やしておいた豆乳クリームゼリーの上に流し入れて重ねます。冷蔵庫に入れ3時間ほど冷やし固めます。

型から取り出し、桃のワインコンポートを添えて仕上げます。ココアを振りかけたり、チョコレートペーストでデコレーションしても素敵です。

 

今回はシリコン型を使いましたので、型抜きがスムーズでしたが、ステンレスなどの型を使用する場合は、熱い温度(70℃以上)のお湯に5秒ほど浸けて型を温めてから取り出すと、型から外しやすくなります。

今回使った材料の一覧

ストック確認やお買物のチェックリストとしてご活用ください。

ビオ・マルシェの宅配 取扱商品

・桃
・ラ グート デュ メートル 赤
・甜菜糖
・有機豆乳
・棒寒天
・オーガニック カフェインレスコーヒー
・有機アガベシロップ
・オーガニックブラックココア

その他の商品

・バニラエクストラクト
・カルダモン(オプション)

レシピ・写真

鈴木 桂子 Suzuki Keiko

インディペンデント・フォトグラファー/ヴィーガンレシピ・デベロッパー

1990年代に映画監督・園子温率いる街頭詩パフォーマンス「東京ガガガ」に参加、以後約10年にわたり自主映画製作に関わる中で銀塩カメラに興味を持ち、撮影・現像を習得、作品制作を始める。
一時期写真制作から遠ざかっていたものの、イギリス留学を機に制作意欲が再熱。帰国後、フォトグラファー兼ライターとして、旅行関連の書籍をメインに執筆多数。

気候変動などの深刻な地球環境問題には、ヴィーガン・ダイエット(完全菜食主義の食事)が有効であるという研究に感銘を受けてヴィーガンに。心臓疾患や糖尿病などの疾病予防にも効果があると期待されているヴィーガン・ダイエットを、もっと多くの人に知って欲しいという思いから、料理レシピブログ Veggitrabbit Vegan Recipes を立ち上げ、できるだけ少ない材料で、簡単に作れる菜食レシピを考案、投稿している。

ヴィーガンとなってから「薬(医)食同源」や「代替医療」に深い関心を持つようになり、中国伝統医学の学習を開始。中医師を目指し目下勉強中。

Veggitrabbit Instagram
Keiko Suzuki Photography Works

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