
春の味覚 有機京たけのこを探しに、オーガニックファーム大八木...
2025.4.14
重要なお知らせ
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2月の終わり、沖縄県中頭郡読谷村(なかがみぐん よみたんそん)で、国産有機バナナを栽培しているグレイスファームを訪れました。本州ではまだ寒さが厳しいこの季節。天気予報では曇り時々雨でしたが、当日になると気持ちよく晴れていて、気温は22度ほどのポカポカ陽気でした。
那覇空港から車を北に走らせること約1時間。出迎えてくれたのは、グレイスファーム会長の藤原さん。こちらの大きなハウスでは、希少な国産有機バナナや新鮮な野菜を栽培しています。屋根の高さは約5m。通常のハウスの倍ほどの高さで圧倒されます。
ハウスに入ると、まるでジャングルに迷い込んだよう。たくさんのバナナたちに迎えられながら、生産者の比嘉さんにお話をおうかがいしました。
バナナの国内需要は、年間約100万トン。最も良く食べられている果物ですが、自給率はわずか0.1%未満。大半を海外からの輸入に頼っています。グレイスファームでは、このような輸入頼りの現状を改善すべく、「国内消費のバナナを、何とか国産の比率を高くしたい」と日々奮闘しています。国産バナナというだけでも希少ですが、さらに1段階上の有機栽培で国産バナナのシェアを増やせたらなんと素敵なことでしょうか。
もちろん味にもこだわりがあります。グレイスファームでは特別な肥料はほとんど使いません。
合同会社アクト(藤原さんが会長を務めるもう一つの会社)で独自の発酵エキスを使って、土の力を正常に戻し、本来土の中に住んでいる細菌たちの力を借りてバナナを栽培しています。
地面に生えているのは、カタバミです。
きのこに由来する菌を撒いているので、きのこが生えることもあります。これも、土の中の代謝を循環させるうえで重要な役割を担っています。
バナナは木に見えますが、じつは多年草の一種。たけのこのように何層にも重なった幹の茎でできていて、意外と柔らかいです。
バナナには「地下茎」があり、脇芽を生やして新たな命を灯します。
栽培を始めたころは3本立てを指標に剪定し栽培していましたが、今では同じ地下茎から5本以上もバナナの茎が伸びているものもあり、生命力・土の力の偉大さに気づかされます。
バナナの茎には、それぞれ番号が振られています。栽培開始から収穫までの日数を逆算し、最適なタイミングで収穫できるよう管理しています。
バナナは収穫までに2,000度の「積算温度」が必要。「積算温度」とは、作物の成長に必要な「熱の合計」を数値で表したものです。夏の間だと収穫まで2か月半~3か月くらい、冬だと4~5ヶ月もかかります。
赤紫の葉っぱのようなものは、苞(ほう)と呼ばれるバナナのつぼみです。苞の中のバナナ1本1本に花が咲いています。バナナが成長するにつれ、要らなくなった苞が落ちていき、下を向いているバナナがだんだんと上に成長するようになります。
バナナの上部と下部は、輸入の場合は青果用として出荷しないことが多く無駄になります。
グレイスファームでは、そのような部分も加工や冷凍に回すことで、なるべく無駄の出ないように工夫しています。
バナナの花が咲いているのが見えます。苞が開いて花が咲き、花から伸びている緑色のものが私たちが食べているバナナになります。
苞に触れると、動物の皮膚のようにざらざらしています。柔らかく弾力があって不思議な感触です。
ハウスのバナナジャングルを体験したら、今度は露地へ。
南国のリゾート地に迷い込んだような雰囲気にうっとり。
露地のバナナの葉を見てみると、ハウスで見た大きな一枚の葉とは違い、たくさんの葉に細かく裂けているようです。
これは、バナナの葉の葉脈が風が吹くことによって切れて、小さい葉が沢山あるように見えるのです。逆に、ハウスの中は無風なので、一枚の大きな葉になるんですね。
この葉脈は「平行脈」といって、栄養素や水分を運ぶ役割があります。人間でいうところの血管と同じですね。
バナナの茎の背丈も違います。
露地のバナナは、ハウスで見た高い茎と比べて、背がそれほど高くありません。空間が広いので前後左右どこからでも光を浴びられるので、上にはそれほど伸びなくてもいいようです。
ハウスの中では私が手を伸ばしても届かないくらい高く、5mある天井に届きそうなくらい伸びてました。
バナナは育つにつれて太陽に向かって伸びていき、たくさんの実がなります。
露地のバナナは、シートで保護をしています。雨や風で皮や実が傷ついてしまうのを防ぐ役割があります。
収穫作業の様子です。バナナを収穫する際はこのように丸ごと切ります。重いものでは30kg近くもあり、一人での作業はできないため常に二人がかり。落とさないように慎重に切り離して選果場へと運びます。
バナナを美味しく食べるには追熟という工程が必要です。届いたバナナが黄色くなってスイートスポットが出るのはエチレンガスというものをバナナ自身が出しているため。収穫してすぐには美味しくならないため、専用の部屋に数日保存し、熟成を促します。
こうしてようやく出荷できるようになったバナナは、ちょうどいい量に分けられて一つ一つ丁寧に袋詰めしていきます。
ここまでくればあと少し。美味しく食べられるよう心がこもって袋詰めされたバナナが全国へ旅立ちます。そのまま食べるのはもちろん、グレイスファームのバナナは皮を剥いても黒くなりにくいので、冷やしてバナナジュースやスムージーにしても美味しいです。
美味しいバナナとは、えぐみ・雑味のない、何度食べても食べ飽きないバナナです。グレイスファームの思いがたくさん詰まった、何度でも食べたくなるバナナをぜひお召し上がりください。
やちむんの里は、生産者の方におすすめいただき、近くまで来ていたこともあって立ち寄りました。沖縄県読谷村にある陶芸工房が集まる集落で、伝統的な焼き物「やちむん」を制作する職人の現場を間近に感じられる場所です。
グレイスファーム
沖縄県読谷村
沖縄・読谷村の温暖な気候を活かし、希少な国産バナナの有機栽培に取り組む農園。国内で流通するバナナの多くが輸入に頼るなか、「国産の比率を高めたい」という想いのもと、日々栽培に向き合っています。特別な肥料に頼らず、土の力と自然の循環を大切にしながら育てられたバナナは、やさしい甘みと豊かな風味が特長です。