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昔ながらの製法でじっくり熟成 農家の手作り干し芋を再現した「有機干し芋」

有機干し芋

ビオ・マルシェで購入できる「有機干し芋」は、昔ながらの製法で数か月熟成させることで糖度を上げた有機さつま芋を使っています。ゆっくり蒸かして天日干しすることで、有機さつま芋の甘みを存分に引き出しています。冬から春にかけての季節限定商品です。

昔ながらの干し芋そのまま、日本初の有機干し芋づくり

手作りの干し芋に魅せられて

「有機干し芋」を作るのは、創業30年以上の干し芋メーカー株式会社タツマ(静岡県)です。創業のきっかけは、創業者の立間友継さんが趣味のサーフィンで茨城県を訪れた際に食べた干し芋に惚れ込んだことでした。
当時は、農家が作る干し芋は自家消費か地元の仲買が仕入れて販売するためのものだったそう。県外からの参入は難しくなかなか卸してはもらえませんでした。そんな中、立間さんは茨城県内を訪ね歩き、意欲的に干し芋を作り続けている農家に交渉を重ねました。その熱い想いが農家の心を動かし、干し芋を卸してもらえるようになりました。
販売が軌道に乗ってきた頃、高齢化による農家の衰退が気にかかるようになってきました。立間さんが懸念していたのは、昔ながらの干し芋づくりが失われてしまうこと。生産量の確保を理由に効率化を優先する農家が増えると、美味しさに関わる工程まで省略されてしまいます。
干し芋のためのさつま芋を栽培し、熟成期間を経て糖化させたさつま芋をじっくり蒸し、天日で干す。干し芋を探求してきた立間さんにとって、どの工程も欠かせないもの。だからこそ、契約農家に頼るだけでなく、昔ながらの干し芋づくりを栽培から加工まで自社生産することに決めました。

有機干し芋づくりのきっかけは、一通のお便り

現社長の福井さんがその想いを引き継ぎ、自社生産を始めようとしていた頃、アトピーのお子さんを持つ親御さんから「アレルギーがあって干し芋しか食べられないので、とても助かっています」という一通のお便りが届きました。このお母さんの言葉を聞いて「どんな方でも安心して食べられる有機干し芋を作りたい」という想いがわき、干し芋農家さんに相談しますが、皆口をそろえて「できるわけがない」と言います。「誰もやらないなら自分たちがやろう。」と国産の有機干し芋づくりに挑戦することになります。
日本で初めての有機干し芋づくりだったので、すべてが手探り状態。特に苦労したのが有機さつま芋の栽培です。慣行栽培と比べて手がかかるうえ、収穫量もわずかで、何度も「断念」の文字が頭をよぎったそうです。それでも諦めずに、毎年の土作り・苗作り・栽培方法を見直しては改良を加えて、前進してきました。今でも毎年の天候次第で、収穫量は安定しませんが、それでも着実に有機栽培の経験を積み、リスク回避のために多品種のサツマイモを栽培するなど対策をしています。
現在、「有機干し芋」は、茨城県にあるタツマの子会社、長砂農園(有限会社優光)で栽培から加工まで一貫して手がけています。

有機干し芋ができるまで

有機さつま芋の栽培

早春、大切に保管しておいた種芋を蔵から出し、苗づくりを始めます。この時期の産地(茨城県ひたちなか市)はさつま芋にとってはまだまだ寒い時期。ビニールハウス内での苗づくりとはいえ、地温を高くしておく必要があります。一般的には、地温を上げて、発芽を促すために石灰窒素・化学肥料などを使いますが、有機サツマイモの苗づくりでは使えません。自社農園では代わりに、干し芋加工時に出るサツマイモの皮、米ぬか、モミガラ、大豆などを2年間寝かせた自家製堆肥を使います。さらに、苗床に水を十分含ませることで、堆肥に熱を持たせるようにしています。地温が上がることで、種芋も発芽しやすくなります。畑に植えて元気に育つためには丈夫で健康な強い苗にしなればなりません。最初は過保護に、最後は厳しい環境下で苗を育てます。こうして逞しく育った苗をようやく畑に植えます。
ここからは収穫まで毎日草取りが欠かせません。

有機干し芋づくり さつま芋畑

定植したては、除草の簡単な器具が使えますが、つるが伸びるとひたすら手で草取りです。
暑い時期の作業なのでスタッフの体力は消耗しがちです。そんな苦労はおかまいなしに、雑草たちは勢いよく生長します。

芋の熟成

秋に収穫されたさつま芋は、冬将軍の到来まで貯蔵します。さつま芋は、寒さから身を守ろうとしてデンプンを糖に変えます。そのため、低い温度で熟成することでどんどん甘くなるのです。

有機干し芋づくり 芋堀り

芋を蒸かす

糖化熟成させたさつま芋の甘みをさらに引き出すのが「蒸かし」です。というのも、さつま芋はゆっくりと長時間加熱することで、デンプンを糖に変える酵素が働くからです。
原料芋の大きさに合わせて、ゆっくりと温度をあげ、じっくり蒸かしあげます。「有機干し芋」は、サイズによって2~4時間かけて蒸かしています。

有機干し芋づくり 蒸かし

天日で干す

さつま芋が熱いうちに丁寧に皮をむきます。

有機干し芋づくり 皮むき

冷ましておいたさつま芋を「つき台」と呼ばれる道具を使ってスライスします。ピアノ線が均等に張ってあります。

有機干し芋づくり スライス

スライスしたら、簾に並べて約1週間天日干しします。

有機干し芋づくり 干場

天日干しは時間がかかりますが、少しずつ水分が抜けることで、糖化した芋の甘さだけが凝縮されていきます。
日中に日の光を受けて表面が乾き、夜は芋の中心の水分が表面と均等になり、次の日また表面が乾燥する、その繰り返しで徐々に仕上がります。
農家にとって、カビや腐りのリスクが減る「冷風乾燥」や「遠赤乾燥」は魅力的なものですが、出来上がった干し芋の美味しさは天日干しが格別とのこと。

甘いだけじゃない、味わい深い干し芋

有機干し芋

口にすると、まず干し芋の周りについた糖の甘みが際立ちます。これぞ、干し芋の醍醐味。じっくりと日を重ねて、さつまいもの糖分が少しずつ結晶化した証です。
噛みしめると、ただ甘いだけじゃなくさつま芋の香りも感じます。歯ごたえは程良く、しっとりとした食感です。干し芋が好きで見かけると買ってみるのですが、タツマの有機干し芋のように甘さの先に味わい深さのある干し芋は少ない気がします。栽培から製造まで、一つひとつの工程を大切にしているからこそ引き出せる美味しさなのでしょうね。

干し芋を焼いてバターを塗ってみました

以前、ビオ・マルシェスタッフMが「焼いた干し芋にバターを合わせると美味しい」と言っていたので、今回試してみました。
熱したフライパンに、干し芋を並べます。焼き芋のような甘い香りがしてきたところでひっくり返します。

有機干し芋を焼いているところ

白い糖が溶けて飴色になっています。反対側も焼けたらお皿にのせてバターをぽとんっと落とします。

有機干し芋バターのせ

バターが干し芋の熱に溶けたところで、いただきます。
焼いたところがぱりぱり。糖の部分がカラメル化したようで、そのまま食べるのとは違う食感を楽しめます。そして、バターの塩気がさつま芋の甘さを引き立てます。これは美味しい。少し手を加えるだけで、特別なおやつの出来上がりです。ぜひ、お試しください。

(スタッフ 伊藤)

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原材料
有機甘藷(茨城県産)
ビオ・マルシェのネットショップ価格
100g 648円(税込)

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