年末年始のごちそうをお手軽に、ビオ・マルシェの年末・2025...
2024.11.1
冷え込む毎日。
お鍋や煮込みを作ることが増え、根菜やこんにゃくに自然と手が伸びます。
こんにゃくといえば、独特の食感と歯ごたえがお好きな方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなこんにゃくのお話です。
群馬県にある「グリンリーフ株式会社」の有機こんにゃくについて、以前訪問した時の写真と共に紹介します。
こんにゃくの原料は、こんにゃく芋です。
お正月に食べる、クワイのような形をしています。大人が両手で持っても余るほどの大きさ。ここまで育つのに約3年かかります。
植え付けは、5月頃。
里芋と同じサトイモ科なので、親芋にくっついてきた種芋を植え付けます。こんにゃく芋栽培では種芋のことを「生子(きご)」と呼びます。
7月頃になると、茎に鮮やかな緑色の葉っぱを付けます。
さらに茎の部分が伸び、最終的には大人の腰の高さほどにも成長します。
収獲は10月頃。掘り起こしたこんにゃく芋は、凍結を防ぐために冬場は保管庫に移します。
翌年5月に、保管していたこんにゃく芋を畑に植え付け、10月頃に2度目の収穫。さらに、その作業をもう1年繰り返し、3年生まで育てます。そして、原料として使われ、こんにゃくとして私たちの元に届きます。
訪問した際、生子、1年生、2年生、3年生のこんにゃく芋が並んだ写真を、見せていただきました。
こんにゃく芋の成長過程
1年ごとの成長過程がよく分かります。
群馬県は、こんにゃく芋の国内生産量90%以上を占めています。(農林水産省データ参照、令和元年度)さらに、グリンリーフ株式会社のある利根郡昭和村周辺は、国内生産量の約60%を占めています。こんにゃく芋栽培が盛んな昭和村ですが、有機栽培の生産量は1%未満と希少です。
その理由の1つが3年かけて栽培するリスク。
さらに考えられるのが、こんにゃく芋の性質です。
どっしりとたくましく見えるこんにゃく芋ですが、実はデリケートです。
人が畑に入る時は、葉っぱを傷つけないよう、慎重に作業しなければなりません。というのも、こんにゃく芋の葉が特殊なのです。何枚もの葉が枝分かれてしているように見えるのに、それら全てが繋がっていて1枚の葉なんだそう。
そのため、1か所に傷が付いて病気が発生すると、みるみる広がり、生育が止まってしまいます。
さらに、有機栽培では除草剤も使えないため、マルチ張り(畝の表面をシートで被う作業)・芽だし(芽のところだけシートに切り込みを入れる作業)・草取りなどを手作業で行います。畑に入る回数が慣行栽培と比べて多い分、より慎重な作業が必要です。
昔のこんにゃくづくりは、栽培農家・精粉業者・練り屋(こんにゃく製造)の3つの分業制だったそうです。グリンリーフでは、自社農園で育てた有機栽培こんにゃく芋でのこんにゃくづくりを実現するため、栽培と製造を自社で手がけています。※精粉製造は委託。
こんにゃく芋の製造では、生芋の他に、加工度合いが異なる荒粉(あらこ)と精紛(せいこ)を使います。荒粉は、こんにゃく芋をチップ状にスライスして乾燥させたもの。精紛は、荒粉を粉砕して細かくしたもの。
左が荒粉、右が精粉
市販のこんにゃくは、生芋や荒粉は使わず精粉に水を混ぜて作る製法も多いです。精製度が高い精粉で作ると、出来上がりが白っぽくなるので、海藻粉末を入れてグレーがかった色に調整しているものも見かけます。
グリンリーフでは、生芋をベースに荒粉と精粉を配合しています。3種類それぞれに成分・風味が違うので、製造する商品によって、使い分けます。目指すのは、農家の方々が昔から食べてきた手作りの味。これを再現しようと、栽培から加工まで地道な努力を重ねてきました。
味しみもよく、歯ごたえがあり、きめの細かいなめらかな食感の有機こんにゃく。あく抜き済みで、塩もみや別茹での手間が省けて料理にすぐ取りかかれるのも嬉しいところです。ぜひ、お試しください。
(スタッフ 岡本)
〇有機栽培生いもまるごと芋しらたき ミニ
〇国産有機 小巻き芋しらたき
〇有機栽培生いもまるごと玉こんにゃく