「畑の恵み おせちセット2025」 オーガニックにこだわった...
2024.9.30
ビオ・マルシェでお届けしているのは、国産有機片栗粉です。
一般の片栗粉は、国産品や輸入品が多く大量生産されるため、手ごろな価格で手に入れることができます。国産有機片栗粉の場合、原料である馬鈴薯の栽培に時間や労力がかかり、大量生産ができません。通常より高価になりますが、遺伝子組み換えや、残留農薬などの心配がないため、安心して日々の料理に使うことができます。
(馬鈴薯を有機栽培している畑)
古くは自生するユリ科のカタクリという植物の根から摂ったデンプンを原料としていました。ですが、現在は馬鈴薯澱粉(じゃが芋)が主流となります。昔の名残から「片栗粉」という名称だけが今も残っています。
みなさんも経験があると思いますが、包丁でじゃが芋を切った際、包丁についた汁が乾き、粉っぽくなり付着しているのがでんぷんです。
製造工程は、じゃが芋をすりつぶし液体状にする⇒繊維質や不純物を取り除く⇒洗浄(2~3回繰り返す)⇒静かに置いて沈殿させる⇒下に溜まった澱粉を取り出す⇒乾燥させる。という流れです。
ビオ・マルシェの片栗粉を作っているのは、大正5年に創業、北海道士別市南町にあるカワハラデンプンです。
最大の特徴は「さらしデンプン製法」と呼ばれる工程です。「さらし」とは「精製・濃縮」に含まれる工程で、澱粉乳を水で洗浄することを指します。1回あたり4時間、これを3回。12時間かけて、丁寧に洗浄を行います。
ちなみに、一般的な片栗粉は、合理化式デンプン工場で脱汁機により高速遠心分離を行います。抽出時間は15~30分ほどで、強制的に分離させるため、微量なカスが残ります。
こうして洗浄された澱粉乳は、静かに沈殿させ、下に溜まった比重の重いものだけを取り出します。取り出された澱粉は9割が「精製澱粉」、残りの1割が「末粉澱粉」で、片栗粉として出荷されます。歩留まりはやや落ちますが、不純物が取り除かれた分、純度が高くなり「こし」や「とろみ」が強くなり、揚げ物の衣に使うとサクサクとした食感が生まれます。
その後、沈殿して溜まった澱粉を乾燥させます。一般的には、高温気流乾燥(150℃、10秒)で、およそ2時間。カワハラデンプンでは、低温長時間乾燥(70℃、4時間)を行い、さらに一昼夜自然乾燥をさせています。また、高温で乾燥させると糊化してしまうため、天候に合わせて乾燥時間も調整されているそうです。
このような工程から、片栗粉の製造には2~3日かかります。製造量が少なく、生産性は低いのですが、デンプンを顆粒状にして風味や甘みを損なわず、純度の高い片栗粉を作るために、昔ながらの方法を守り続けています。
毎日の料理に欠かせない片栗粉。揚げだし豆腐、ハンバーグのソースやカレーうどん、八宝菜や餃子、麻婆豆腐。また、和菓子の打粉や餅取り粉、焼き菓子に入れてカリッとさせたり、初期の離乳食や嚥下食にとろみを付けて食事を食べやすくするためなど、幅広い用途があります。
肉や魚にふりかければ、身を柔らかくして、しっとり仕上げ、旨みを閉じ込めてくれます。あんかけは、調味料を食材にからめたり、味を馴染ませて、料理の味を引き立ててくれる役割があります。
冷蔵庫に残っていた材料は、小松菜、生姜、たけのこの水煮、えのき、鶏肉です。
鶏肉は、小さく切り塩をふり少しおきます。塩をふっておいた鶏肉に片栗粉をまぶし、油を入れた中華鍋で炒めます。
生姜、小松菜、たけのこ、えのきも加えて炒めます。鶏ガラスープとしょうゆ、水溶き片栗粉でとろみを付け、あたたかいご飯にかけたらできあがり。胡椒やごま油をお好みで加えます。
ご飯に、炒めた野菜ととろみが絡み、とても食べやすくなります。鶏肉に塩と片栗粉をまぶすことで、旨味と水分がコーティングされ、ふっくら柔らか、ぷりぷりの食感が楽しめます。ひと手間加えるだけで、普段のごはんがランクアップします。
片栗粉の味をシンプルに楽しめるおやつ「たまごボーロ」を作ってみました。
<材料>
卵黄・・・1個
てんさい含蜜糖・粉末(砂糖)・・・50g
有機片栗粉・・・90g
1ー卵黄とてんさい含蜜糖(砂糖)を、白くなるまで良く混ぜる。
2ー1.に片栗粉を加えて混ぜ合わせる。
3ーまとまってきたら1cmほどの玉を作り丸める。
4ー170度に温めたオーブンで15分焼く。
5ーオーブンから出して、30分ほど冷ましたらできあがり。
※片栗粉がまとまらない場合は、少し牛乳を足します。
オーブンで焼いていると、クッキーの焼けるような芳ばしい香りがしてきます。サクサクとした食感の後に、サッと口の中で溶けて、とても懐かしい味がします。
かたちがつぶれてしまい、見た目はいまいちですが、手が止まらなくなる美味しさです。小さなお子様と一緒に作ってみるのも、楽しそうです。
(スタッフ岩井)