和歌山県有田郡の平飼い養鶏場「蒼生舎」を訪問してきました
2024.11.19
秋の気配が漂い始めた9月中旬頃、山形県・佐藤果樹園を訪ねました。佐藤果樹園の畑は、ラ・フランス栽培で有名な山形県上山市にあります。今回は、この地で減農薬での栽培を始めて約37年の佐藤さんにお話を伺いました。
佐藤さんのご実家は代々農家の家系で、佐藤さんは7代目。元々は慣行農業を行っていましたが、佐藤さんが小学生の頃にお母様が農薬中毒で倒れてしまったことをきっかけに、なんとか農薬の使用回数を減らすことができないかと減農薬での栽培を始めました。
ラ・フランスは虫害や病気が発生しやすい果物で、一度発生すると農園全体に広がってしまいます。そのため、被害を最小限にとどめるための予防策として、必要最低限の農薬を使用しています。減農薬の栽培では、農薬の使用回数を減らすために、農薬散布のタイミングを見極めることが重要になります。このタイミングを見極めるのに、佐藤さんが使用している重要なアイテムが「顕微鏡」。畑からラ・フランスの葉などを持ち帰り、定期的に顕微鏡を使って観察します。葉の中の細胞の形などで病気の発生源などを分析し、農薬を散布するタイミングを見極めます。佐藤さんのご自宅には、歴代使用されてきた顕微鏡が!今で4代目だそうです。
一般的にラ・フランスの栽培は、自然に枝を伸ばす「立ち木栽培」が主流ですが、佐藤さんの畑では「棚栽培」という方法で栽培しています。これは、ぶどうのように樹を横にのばしながら栽培する方法です。木が水平方向に育つので、太陽の光が均一に当たります。そのため、生長や食味のばらつきが少なくなり、太陽の光をたっぷり浴びた分、濃厚な甘さを生み出します。「立ち木栽培」と比べて手間と費用がかかりますが、より美味しいものをお届けしたいという想いで、佐藤さんは長年この栽培方法を続けられています。
ラ・フランスは、食べ頃の判断が少し難しい品種です。美味しくお召し上がりいただくために、佐藤さんに食べ頃の見極め方のポイントを教えていただきました。
一番のポイントは、軸のまわり。軸のまわりを軽く押してみて、少しへこむ程度が食べ頃だそうです。果実全体が柔らかくなっていると、傷みが進んでいることがあるので、熟度が進みすぎないように注意が必要です。
ラ・フランスは収穫して皆さまへお届けするまでの間に「予冷」という作業を行います。「予冷」とは一度冷蔵庫で保管することです。一度寒いところで保管することで果実の呼吸が抑制されます。その後常温下に戻ると、ラ・フランスは一斉に呼吸を再開します。この「予冷」をすることによって呼吸が活発に行われ、果実内のデンプンが糖分に変わります。「予冷」の後、「追熟」の期間を経てようやく「完熟」の食べ頃になります。そのため、お届け後は常温で追熟を進めるのがおすすめです。また、5kgケースでご注文いただいた際は、ケースのふたを開けて保存してください。
ぜひ、ラ・フランスならではの舌の上でとろける滑らかな舌ざわりと、太陽の光をたっぷり浴びて蓄えた濃厚な甘さを今年もお楽しみください♪