和歌山県有田郡の平飼い養鶏場「蒼生舎」を訪問してきました
2024.11.19
山形盆地の東北に位置する山形県・東根市。
ここはさくらんぼの名産地として有名なところです。
今回は、減農薬でさくらんぼの栽培をされている、横尾さんご夫婦を訪ねました。栽培を始めてから40年以上、お二人で農園を切り盛りをされています。
小さくて可愛らしいさくらんぼの実。
私自身、さくらんぼの樹を見るのは今回が初めて。「どんな樹になっているのかなー」とわくわくしながら、農園まで車を走らせていると、大きなハウスが目の前に飛び込んできました。
これがさくらんぼの樹!?思っていたよりも大きい!
お伺いすると、さくらんぼの樹は大きいもので6~7メートルの高さまで生長するとのこと。そして、樹をすこやかに育てるためには、毎日の手入れが欠かせないそうです。
「さくらんぼの樹は、一年一年その姿を変えてゆきます。成長しているのです。子供から大人へ、そして壮年(老人)へと50~60年の生涯をその土地・その場所で送るのです。雨の日も風の日も雪の日もじーっと何も言わず生きるのです。ですから、私は樹が雄大に成長するための手助けをさせてもらっています。」とおっしゃる横尾さん。
横尾さんの想いを受けて育つさくらんぼの樹たちは、のびのびとしていて力強いです。
高さのある樹の上での、収穫作業も大変です。
脚立に上がって、1つひとつ手摘みで収穫をしていきます。
これでも危険!と思ってしまいますが、それ以上に大変な作業があります。
ハウスのビニールの張り替えです。
さくらんぼの実はデリケートなので、少しでも雨に当たると傷んでしまい、出荷できなくなります。そのため、毎年梅雨前の5月末頃にハウスのビニールを張り替える作業が必要です。
樹の高さよりも大きいハウスを見上げながら、「ハウスの一番上まで登って、張り替える作業が一番怖い」と奥様。さくらんぼ栽培に、こんなに大変で危険な作業があるとは、思いもしませんでした。
ところで、小さな苗木のときからさくらんぼの実がなるまでにどのくらいの期間がかかると思いますか?
横尾さんによると、苗木を植え付けてから、実がなるまでに約4~5年。その後、収穫量が増えて皆さまのお手元にお届けができるようになるまでさらに5年、合計約10年もかかるそうです。
気が遠くなるほどの期間です・・・
一般的には苗木を購入して栽培されますが、横尾さんの畑では、さくらんぼを苗木から栽培しています。
収穫できるまでの時間はかかっても、栽培したことのない品種をつくることが面白く、毎年苗木の栽培は欠かせないそうです。
農園を案内していただいているとき、時々目についていた、この木箱。
実は、マメコバチの巣箱でした。
昔からこの地域では、葦(よし)を使ってハチの棲みかを作っているそうです。
毎年4月にハチの卵が孵化し、成虫になったハチたちが、さくらんぼの受粉作業をしてくれるそうです。
甘酸っぱくて美味しいさくらんぼは、鳥や虫も大好物の果物。そのため、鳥に食べられたり、虫の被害に遭いやすい果物でもあります。
そんな中、横尾農園では、必要最小限の農薬使用にとどめて栽培をしています。
農薬を出来る限り使わないように栽培するためには、「毎日さくらんぼの顔を見て、農薬散布のタイミングを見極めることが大事」と横尾さん。
毎朝、ご自宅の目の前にある畑を見回ってから、1日が始まるそうです。
収穫の時期以外にも、1年を通じて、たくさんの作業があります。
大雪が降る1月頃から春先までは、「芽かき」の作業。わき芽を取り除くことで、収穫する実に養分を集中させ、大きな実が収穫できるようにします。
実がなった後は、「葉摘み」の作業。実にかかる葉っぱを取り除いて、さくらんぼの実に適度に日光が当たるようにします。葉摘みをすることで、さくらんぼ全体にきれいな赤色が回るようになります。
この「葉摘み」の作業。ただ摘めばいいというものではありません。摘みすぎると、光合成によって葉っぱに蓄えられた養分がさくらんぼまでいかず、甘みが落ちてしまいます。そのため、横尾さんは葉を摘む量を適度に抑えます。一般的に流通しているさくらんぼと比べ、優しい色味ですが、その分甘みがつまっています。
また、ひとくちにさくらんぼと言っても、品種によって個性があり、手入れの仕方も変わってくるそうです。
「さくらんぼ栽培は、毎日ハラハラドキドキで、子育てのようです。」と奥様。畑を案内していただいてる間も、わが子を見守るように、手入れをされていました。
横尾さんご夫婦の愛情をたっぷり受けて育ったさくらんぼ。
口の中でじゅわ~っと広がる濃厚な甘さとほど良い酸味をお楽しみください♪
(スタッフ 小関)
訪問日:6月13日