生産者・製造者
牧山農園
- 商品
- 有機いちご、有機メロン
- 産地
- 長崎県壱岐市
牧山農園の畑は、博多港から約70キロメートルほど離れた、長崎県の壱岐島にあります。壱岐島は直径15キロほどの小さな島ですが、森が多く、地下水が豊富です。また、対馬暖流に恵まれ、漁業も大変盛んです。美味しい農作物をはぐくむ、赤い粘土質の土壌にも恵まれています。そんな自然豊かな壱岐島で、牧山さんは30年前にいちごとメロンの栽培を始めました。
食べ物は体と心を養い、作るものだと昔から考えていた牧山さん。子供たちには極力自然に近いものを食べさせたいという想いから、当時一般的だった農薬を大量に使用する農法に疑問をもち、農薬を減らすことから取り組みが始まりました。それから、資材はできるだけ地域のものを、自然の生態系にかなう農業をと試行錯誤されてきました。
いちごは収穫までに2年近く時間を要します。育苗期間中は、葉を食害するコガネムシ、ヨトウ虫、ハダニなどの害虫、うどん粉病やタンソ病といった病気にかかりやすいため、慣行栽培でもいちごの栽培は非常に困難とされるほどです。さらに有機栽培での10アールあたりの収穫量は慣行栽培に比べると約半分といわれており、その難しさがうかがえます。
当時は有機いちごを作っているという前例がなく、指導してくれる人もいなかったため、牧山さんは自分で勉強しながら試行錯誤を繰り返しました。
有機栽培を開始し、3年後くらいからまとまった収量が取れるようになりました。
前年のいちごの収穫が終わると、残ったいちごの株と畑の土を一緒に耕し、太陽熱消毒を行います。土づくりには、山で集めた落ち葉や堆肥・米ぬか・自家製のボカシ肥料などを混ぜこみます。年に1回、カニ殻肥料を入れます。カニ殻に含まれる『キトサン』という成分を入れることにより作物の窒素分が消化されるので、美味しくなるそうです。また、生命は海から誕生したという点から海水も利用します。 海水をかけることで、作物が美味しく、いきいきと育つそうです。
ハウスに足を踏み入れると、ふかふかとやわらかい土につつみこまれたいちごの苗。葉は大きく、緑色が濃く、丸まったような形をしています。これは、毎日観察し、手作業で病気や害虫の広がりをくいとめ、健康に育てているからです。また、微生物や海のミネラルを利用して、十分に栄養がいきわたっている証拠でもあります。
現在79歳の牧山さん。いちごの出荷時期は、ほぼ休みなしで基本的にはご夫婦で作業されています。
牧山さんに趣味を伺うと、「いちご作りとメロン作り」と迷わず即答されました。「1番栽培が楽しい。有機農業のやりがいはやっぱりお客さんからのお便り。 お便りを読んで励みになる。 長年続けていても、 こういう栽培をしてみたいとか、まだまだやりたいことが湧き上がってくる。 」
有機栽培への情熱が絶えない牧山さん。今日も元気に畑に向かいます。