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牛乳から乳製品へ 有機JASヨーグルト・チーズ、NON-GMOバター、低脂肪乳ができるまで

ビオ・マルシェでは2026年3月より、新たな乳製品の取り扱いが始まりました。
有機JAS認証のヨーグルトとチーズ、NON-GMO(非遺伝子組み換え)のバター、そして乳脂肪分2%の低脂肪乳です。

これらの乳製品は、ひとつの場所ですべてが作られているわけではありません。牛を育て、生乳を生産する「松本牧場」。その生乳を受け取り、ヨーグルトやバター、チーズへと加工する「ホワイトファーメント」。そして、生クリームを分離したあとの生乳を低脂肪乳へと仕上げる「タカハシ乳業」。それぞれが役割を担い、食卓へと届けられています。

今回は、群馬県にある3つの現場を訪ねました。日々の食卓で口にしている乳製品が、どのようにつくられているのか、その工程とつくり手の仕事をご紹介します。

 

一頭一頭の牛と向き合い、健やかに育てる ― 松本牧場(群馬県吾妻郡)

 

まず訪れたのは、浅間山の麓、澄んだ空気の中に広がる松本牧場。30ヘクタールの敷地で約50頭の牛がのびのびと暮らしています。

 

左:娘さんのご主人 / 右:松本さん、

出迎えてくれたのは、松本牧場の松本さんと娘さんのご主人。松本牧場は1956年から酪農に取り組み、長年にわたり健康な牛乳づくりを続けてきました。2011年には有機JAS認定を取得し、以来、有機栽培の牧草と有機飼料にこだわった生産を続けています。有機に興味を持ち始めたきっかけは、娘さんの幼いころの牛乳アレルギーでした。数年後、ホワイトファーメントやタカハシ乳業からの声掛けもあり、「牛乳を安心して美味しく飲んで欲しい」という想いから、有機での生産をスタートしました。

 

牛舎に入っていく様子

松本牧場の牛の品種はホルスタイン、ブラウンスイス、そしてその掛け合わせ。牛たちは朝に搾乳を終えると牧場へ出て、夕方に牛舎に戻り再び搾乳。一日をゆったりと過ごします。

牧場でまず感じたのは、牛たちの穏やかさでした。「絶対に牛を蹴ったり叩いたりしない。ストレスを与えないことが大事。」そう語る松本さんの言葉通り、牛たちは驚くほど落ち着いています。夕方、牛舎へ戻る時間になると、それぞれが“自分の定位置”を覚えていて、自然と列をなしながら入っていきます。その際、暴れたり列を乱したりする牛がいないことにも驚きました。

 

松本牧場の牛は寒さに強く、暑さに弱いのが特徴。そのため夏場は、牛舎で風を送り首元を冷やすなど、熱中症対策を徹底しています。松本さんは牛たちの顔を見ながら、「少し元気ないかな」「調子はどうかな」と声をかけます。人と牛との関係の良さが、そのまま牧場の空気として伝わってくるようでした。

 

自家栽培の有機牧草で育つ牛たち

自家牧草を食べている様子

飼料は自家栽培の有機牧草と搾乳後に与える有機穀物。有機牧草はクローバー、レッドクローバー、リードカナリーなど4~5種を混合。牧草は春から夏にかけて育てられ、牛舎には牧草の良い香りが広がっていました。

 

柱に書かれた給餌量

乳量は月1回の検定で一頭ずつ管理されており、その結果に応じて給餌量を調整。柱には一頭ごとの給餌量が書かれ、きめ細やかな管理が行われています。

また、ホルモン剤は不使用。抗生剤も基本的には使わず、やむを得ず投与する場合は厳格に記録管理し、乳は分けて扱うという徹底ぶりです。

 

人の手で行われる丁寧な搾乳

搾乳の様子

搾乳は1日2回。朝6時頃と夕方16時半頃から、それぞれ約1時間かけて行われます。平均47頭から搾乳し、1日約1000Lの生乳を搾ります。

搾乳前には器具と長靴を熱湯消毒し、牛舎には殺菌効果のある資材を散布。乳頭を拭き、前絞りで状態を確認してからミルカーを装着して搾乳を行います。牛が暴れることがほとんどないため、一般的に使われる固定器具は必要ありません。

前絞りで乳が出にくい場合は、乳頭に針を刺して乳を出してあげることもあります(この乳は出荷せず廃棄)。牛の健康のために必要な工程だそうです。こうした日々の丁寧な管理が、まっすぐに乳の美味しさへとつながっていると感じました。

 

素材の持つ美味しさを引き出す職人技 ― ホワイトファーメント(群馬県高崎市)

株式会社ホワイトファーメント 代表取締役 高橋一夫さん

次に訪れたのは、ホワイトファーメント。
松本牧場で搾られた生乳はここに運ばれ、ヨーグルトやチーズへと姿を変えます。

「ホワイトファーメント」という社名には“白”と“発酵”、そして“変えていきたい”という想いが込められています。

「余計なものを加えず、素材の持つ美味しさを丁寧に引き出すことを大切にしています。毎日の食卓で安心して召し上がっていただけること、そして“本当においしい”と感じていただけることが何よりも大事にしています。日々の暮らしの中で、その美味しさを感じていただけたら嬉しいです。」

そう語るのは、代表の高橋一夫さん。牛乳屋の家に生まれた高橋さんは、一度は別の道に進んだものの長くは続かなかったそうです。「やはり自分にはこれしかない」と、現在は乳製品づくりに専念。今では深夜1時から配達に出て、3時から工場での仕込みが始まるという日々を送りながら、「どうすればもっと美味しくなるか」を追求し続けています。

 

こだわりは“低温殺菌の生乳”

美味しさへのこだわりは、“飲用の低温殺菌の生乳を使うこと”。
一般的にバターなどは加工用で高温殺菌された牛乳で作られることが多いですが、低温殺菌により生乳本来の風味やコクが残ったものを使うことで、よい脂肪の味になるそうです。

ここからは、ヨーグルト、バター、チーズ、それぞれの製造工程に沿って、美味しさの秘密をご紹介します。

 

ヨーグルトができるまで

ヨーグルトは大きなタンク2つで仕込み、生乳を殺菌・冷却した後に乳酸菌を加えます。プレーンヨーグルトは充填後に発酵させる「後発酵」。グリークヨーグルトや飲むヨーグルトは充填前に発酵させる「前発酵」で作られます。

ヨーグルトの原材料は有機JAS認証の生乳と有機砂糖のみ(プレーンヨーグルトは生乳のみ)。酸味は穏やかで、脂肪分由来のコクがしっかりと感じられる、加工度を抑え素材の特性を尊重した味わいです。日常的に食べる発酵乳だからこそ、原料・製法・透明性にこだわって作られています。

中でもグリークヨーグルトは、10Lの生乳からわずか3kgしかできない濃厚な仕上がり。なめらかな質感と、ミルク本来のやさしい味わいが特徴で、クリームチーズの代わりとしてもおすすめです。

 

発酵バターができるまで

バターは、生クリームを低温でじっくりと発酵させることから始まります。その後、攪拌して粒状にし、水洗い、練りの工程を経て完成します。

美味しさのポイントは、低温長時間発酵。国産の生乳から作った生クリームをゆっくり低温発酵させることで、まるでチーズのような豊かな香りが生まれます。

もうひとつのポイントは水洗いの回数。大手メーカーでは水洗いを3~4回行うのに対し、ホワイトファーメントでは1回のみ。回数を増やせば賞味期限は延びますが、その分油脂だけの味になってしまいます。それに比べて、ホワイトファーメントのバターは乳の風味がしっかりと感じられ、酸化しにくいのが特徴です。

口に運ぶと、優しい香りとコクのハーモニーがゆっくりと広がります。おすすめの食べ方は、レーズンバター、バジルバター、はちみつバター。思わず手が伸びてしまう美味しさなので、パンにたっぷり塗るなどして、日常的にたくさん使って欲しいとのことでした。

 

モッツァレラチーズができるまで

カットされたカード

モッツァレラチーズはレンネットと乳酸菌で生乳をかためお豆腐のような状態にしたものをカットしたカードを作るところから始まります。いわゆる仕込みを行います。翌日、熱が伝わりやすいようカードをカットしてから湯に入れ、湯の中で練りながら成形し、冷水で冷やします。その後、塩水に15分ほど浸し、冷却したら完成です。

ホワイトファーメントのモッツァレラチーズはしっとり食感。一般的に感じる“キュッ”としたゴムのような食感にならないよう、原料にこだわり、その原料に合う乳酸菌を選定しています。ここに辿り着くまでにいくつもの乳酸菌を試したそうです。また、湯の中で練る際、お湯が濁らないことも美味しさの証だと教えていただきました。しっとりとしたモッツァレラチーズは、フレッシュでやわらかな食感が特徴で、おつまみにもよく合います。

 

低温殺菌ひとすじ―タカハシ乳業(群馬県前橋市)

生乳の受け入れタンク

最後に訪れたのは、タカハシ乳業。
実は、バターの原料となる生クリームは、生乳のわずか約8%しか取れません。残りの約92%も無駄なく活かされるよう、タカハシ乳業で低脂肪乳に姿を変えます。

タカハシ乳業は明治初期に創業し、1950年から低温殺菌に取り組んできました。以来、70年以上にわたりその製法を守り続けています。

 

「低脂肪乳」と呼ぶ理由

低脂肪乳が製造されている様子

タカハシ乳業の低脂肪乳は乳脂肪分2%。法律上、0.5~1.5%が「低脂肪牛乳」の定義のため、この商品は「低脂肪乳」となります。一般的な低脂肪牛乳よりも乳脂肪分が多いため、しっかりとした乳の風味が残るのが特徴です。

作り方は、まず生乳をセパレーター(遠心分離機)で生クリームと脱脂乳に分離します。その後、脂肪分2%になるよう、生乳と脱脂乳を混合、均質化して、65℃30分の低温殺菌を行います。季節によって生乳の脂肪分が変わるため、生乳の配合を調整して品質を保っています。

脱脂粉乳と水を使ったいわゆる「加工乳」ではなく、原材料は生乳のみ。ゆっくりと手間をかけて丁寧に殺菌することで、風味やコクを壊さず、自然本来のままの美味しさをお楽しみいただけます。

 

低脂肪乳

牧場から食卓へ

穏やかな牛たちと丁寧な搾乳。
職人が作るヨーグルト、バター、チーズ。
低温殺菌にこだわった低脂肪乳。

それぞれの現場で感じたのは、“できるかぎり自然に近く”という姿勢でした。
ビオ・マルシェの新しい乳製品として仲間入りした5品には、積み重ねられてきた手間や想いが詰まっています。ぜひ一度お手に取って味わってみてください。

 

仲間入りした5品

オーガニックプレーンヨーグルト

有機生乳のみ使用。素材本来のお美味しさを大切に仕上げたノンホモ・無糖タイプ
[原]有機生乳(国産)

オーガニックプレーングリークヨーグルト

有機生乳と有機砂糖から作ったオーガニックの濃厚グリークヨーグルト
[原]有機生乳(国産)、有機砂糖

オーガニック飲むヨーグルト

素材本来の美味しさを大切に仕上げた、濃厚な飲むヨーグルト
[原]有機生乳(国産)、有機砂糖

オーガニックモッツァレラチーズ

有機生乳100%使用。フレッシュでクリーミーな味わい
[原]有機生乳(国産)、食塩

おいしい低脂肪乳

牛乳本来の美味しさを感じられる、低温殺菌の低脂肪乳(熱処理:65℃で30分間)
[原]生乳100%(国産)

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