生産者・製造者

蒼生舎
- 商品
- 平飼いたまご
- 産地
- 和歌山県有田郡
和歌山県有田郡。集落からどんどん山を登った、周りにほとんど人が住んでいない山奥に、蒼生舎の養鶏場はあります。
「有機農業をしたい」と、この地にやってきた今村さん。動物を飼い、その糞を田畑の堆肥として作物を育て、出荷できなかった作物は動物の餌にする――。そんな「循環」が成り立つ「有畜農業」を目指し、養鶏を始めました。
電気も通っておらず、茅の草が生い茂っていたこの場所で、まずは自分たちで鶏舎を手作りするところからスタートし、1984年に創業しました。


蒼生舎では、鶏舎一棟に100~150羽飼っており、そのうち雄を3羽入れています。雄を一緒に飼うことで群れの平穏が保たれ、元気で健康な鶏が育つそうです。鶏たちは風通しが良い鶏舎で、自由に動き回り、いきいきしています。床にはおがくずが敷かれ、微生物が鶏の糞などを分解するので嫌な臭いはほとんどなく、衛生面を保っています。

●大規模養鶏場との出荷量の違い
蒼生舎と同じ面積で比較すると、大規模な養鶏場(ケージ飼い)では、5倍近くもの鶏を飼育することができます。それでも「ケージ飼いにしようと思ったことは一度もなかった」と話す今村さん。
「ケージ飼いは効率的ではあるけれど、鶏は卵を産む道具ではないですよね。生きている間は元気で、心身ともに健やかに過ごしてほしい。だから、動物の生理に合った、居心地の良い環境をつくることをまず考えて、動物を飼いたいと思っていた」
鶏の飼育数、卵の出荷量は少なくなりますが、鶏たちの健康を考えて、平飼いで飼育されることにこだわっています。
●産卵量について
生きものだからこそ、産卵量は季節や気温などによって変動します。
「健康な鶏から良い卵が産まれる」と考える今村さん。鶏たちが健やかに育つよう、飼育環境や飼料にもさまざまな工夫をしています。
それでも、寒さや暑さが厳しい時期や、台風の後などには産卵量が減ることもあるそうです。
「人が『心地よい』って感じる時は鶏も心地よい。ちょっとしんどいなって思う時には、鶏もやっぱりしんどいみたい」
鶏たちが元気に過ごせる環境を大切にしながら産まれた、貴重な卵。鶏たちに感謝しながら、大切にいただきたいですね。

●卵の特徴
赤みの強い卵の中には、パプリカなどから抽出した色素を飼料に加えることで、黄身の色を濃くしているものもあります。
色素の中には、抽出方法によって化学的な処理が行われるものもあるため、蒼生舎では鶏に色素を与えていません。そのため、蒼生舎の卵は、自然なうすい黄色の黄身をしています。
また、卵を産んだ後、汚れを落とすために一般的には洗浄機を使うことが多いのですが、水で洗うと卵の表面を覆っている「クチクラ層」が損なわれ、外からの微生物の侵入を防ぐ力が弱まることがあります。そのため、手間はかかりますが、1つずつ丁寧に拭き取り、きれいなものだけを選別しています。

●飼料へのこだわり
鶏たちが元気に過ごせる環境を整え、体に良いものを与えることを第一に考えている今村さん。トウモロコシ、魚粉、緑餌(草や野菜)、カルシウムなど、さまざまなものを配合した自家製飼料にこだわっています。
飼料には遺伝子組み換えの分別生産流通管理済のもの使用し、また、ポストハーベストフリーで、抗生物質も使用していません。
遺伝子組み換え混入防止のための分別生産流通管理済の飼料使うとコストが高くなるため、経営のことを考えると大変ですが、創業当時から「鶏の健康を第一に考え、安心できるものをお客様にお届けしたい」という気持ちは変わらず、飼料の配合を日々研究されています。
●鶏たちに愛情を注ぐ今村さん
遺伝子組み換えの飼料やパプリカ色素など、もともとは使っていなかったものを与えることに疑問を抱き、「最初にやっていたことを変わらず、そのままやりたかっただけ」と話す今村さん。
「鶏舎に朝入るとき、『おはよー!』って言っちゃう」と笑う姿からも、鶏たちへの愛情が伝わります。毎日、一羽一羽の様子を見ながら、大切に育てています。
安さや効率を求めるのではなく、鶏たちが健やかに育つことを大切にする。その思いが、卵にも表れています。健やかに育った鶏が産む卵は、くさみがなく、ほんのりとした甘みがあり、何個でも食べたくなるおいしさです。
