
2020.12.2 ビオ・マルシェの畑を訪ねて
お知らせ
2019.5.17 - ビオ・マルシェの畑を訪ねて
ビオランドの畑があるのは、和歌山県岩出市。和泉山脈と紀の川に囲まれた、自然豊かな場所です。
代表の湯川さんご夫婦は就農と同時にこの地で有機農業を始めて35年以上。和歌山の有機農業の先駆者として、生物の多様性を大切にした有機農業の技術を確立しました。また、有機農業の輪を広めるべく、次の世代にも惜しむことなく技術を伝えています。
今回は、生産担当の山名さん(写真左)と酒井さん(写真右)に、旬を迎える作物たちの畑を案内していただきました。お二人とも、他の職種を経て、湯川さんの元で有機農業を始めた、ビオランドの次世代の担い手です。
まずは、現在出荷中の有機絹さや・有機スナップエンドウの畑に。
かわいらしい白い花が咲きこぼれ、みつばち達が競うようにせっせと花の蜜を運んでいました。
豆類の栽培で大変なのは、小さな実をひとさやずつ手摘みで収穫していくこと。
私も横から作業を見させていただいたのですが、
「は、はやい!!」
驚くほどのスピードで収穫適期の豆を見極めながら、摘みとります。
長年収穫作業をされている皆さまの熟練の技が光ります。
次は、現在出荷中有機そら豆。
ここで山名さんから豆知識!(豆だけに…)
「そら豆」という名前は、上にむかってさやをつけることからつけられたそうです。
実がふくらみ、さやが垂れ下がってきたら、収穫適期。
そのタイミングを見計らって収穫します。
ビオランドの畑では輪作を基本に農産物を作付けされています。
野菜は、同じ土壌で同じ作物を栽培し続ける(「連作」といいます)と、土の中の養分や微生物のバランスが崩れ、生産量の減少などを引き起こす連作障害が発生します。そのため、ビオランドでは、同じ土壌でいろいろな作物を栽培する「輪作」に取り組み、バランスの良い健やかな土づくりを続けてきました。
例えば、先ほどご紹介した豆類たちの畑。
収穫が終わり次第、有機きゅうりを植え付けます。
その後は、畑を少し休ませ、翌年に有機なすを植え付けます。
このようにマメ科、ウリ科、ナス科、イネ科、アブラナ科など異なる科による輪作体系を考慮しています。
輪作の作付計画は、非常に綿密で、専門的な知識を要します。ビオランドの栽培の特徴ともいえるこの技術は、湯川さんから山名さんへと受け継がれています。
今度は、これからお届けが始まるきゅうりのハウス。
ハウス内でのきゅうり栽培は、露地栽培と比べるとアブラムシを食べてくれる天敵が寄りつきにくいです。そこで、被害を抑えるため、ハウス内にアブラムシに寄生する寄生蜂を放ちます。しかし、きゅうりにつくアブラムシが少なくなると、寄生蜂もいなくなってしまいます。
ここで、害虫の天敵を引き寄せる「バンカープランツ」の出番です!
きゅうりのハウスには、バンカープランツとしてバジルと麦が植えられています。
バジルは、バジルの花粉を餌にする、寄生蜂を寄りつかせるため。
麦は、麦だけを食べるアブラムシを増やし、寄生蜂が棲みつく環境を整えるため。
バンカープランツを棲みかにした寄生蜂のおかげで、きゅうりのアブラムシが増えるのを抑えられ、収穫前に株が弱ってしまったり、枯れてしまうことが防げます。
ビオランドでは、他の畑でも、栽培品目・環境に応じた様々なバンカープランツを活用しています。
たとえば、露地栽培のきゅうりでは、テントウムシなどが(アブラムシの天敵)棲みつくようにソルゴーを植えています。
栽培の環境・品目によって害虫・天敵の種類が違うので、それぞれに合うバンカープランツを選んでいます。
ビオランドの畑では、生物の多様性や緑豊かな地域の風景を守りながら、美味しい野菜をお客様にお届けするための工夫が随所に凝らされていました。
和歌山県の岩出市という地で、湯川さんが切り開いてきた有機栽培の畑と有機栽培にかける想い。
湯川さんに惹かれ、有機農業の世界に飛び込んだ、山名さん・酒井さんという次世代のお二人へ、この想いは着実に引き継がれています。
これからの時期は、旬の夏野菜をたくさんお届けいただきます。
ぜひビオランドの皆さまの優しさがつまったお野菜をお召し上がりください!
※ビオランドの皆さん (写真左から湯川さんご夫妻・酒井さん・山名さん)
(スタッフ 小関)
訪問日:4月25日
※これからの出荷予定
~5月中旬 有機スナップエンドウ
~5月中旬(まもなく終了) 有機絹さや
~5月中旬(まもなく終了) 有機そら豆
6月~9月 有機きゅうり(7月出荷分からは露地栽培)
6月中旬~10月中旬 有機なす
6月上旬~7月上旬 有機枝豆
6月下旬~10月中旬 有機オクラ